公開:2026.10.01

区分所有法における集会の決議要件<不動産運用設計>

CFP®資格審査試験の過去問題に登場した重要ワードをピックアップして解説します。
今月は「不動産運用設計」分野から、「区分所有法における集会の決議要件」を取り上げます。

区分所有法における集会の決議要件

建物の区分所有等に関する法律(以下、「区分所有法」という)の第39条において、マンションの管理組合の集会(総会)における議事の決定方法や議決権の行使方法を規定しています。

この集会の決議において、所有者が不明の場合やマンション管理の運営に無関心の者がいた場合であっても、すべての区分所有者と議決権の総数を母数とした多数決が決議要件となっていたため、これらの者も母数に含まれ、委任状が提出されない限り反対者と同様の扱いとなり、特に重要な決議において支障を来すこともありました。

そこで、このような問題点を是正(区分所有建物の管理を円滑化)する目的で、法改正が行われました(2026年4月1日施行)。

主なポイントは、所在等不明の区分所有者については、「議決権を有しない者」とすることができるようになりました。これにより、所在等不明区分所有者は母数から除くことが可能となり、単に反対者扱いとなっていたという問題点が解消されることになります。

また、特別決議事項においては、集会の定足数を区分所有者(議決権を有しないものを除く)の過半数としたうえで、集会に出席した区分所有者およびその議決権を母数とする「出席者多数決」の制度を取り入れました。これにより、区分所有建物(マンション)の管理について円滑な運営ができるようになりました。

なお、建て替えや建物敷地売却については、集会出席者ではなく、従前の「すべての区分所有者およびその議決権」を母数としています。ただし、議決権を有しない者は除くことができます。

図表■主な決議要件

議案決議要件
普通決議事項集会に出席した区分所有者(議決権を有しない者を除く)およびその議決権の各過半数
規約の設定、変更または廃止集会に出席した区分所有者(議決権を有しない者を除く)およびその議決権の各3/4以上(特別決議事項)
共用部分の変更(その形状・効用の著しい変更ではない)集会に出席した区分所有者(議決権を有しない者を除く)およびその議決権の各過半数
共用部分の変更(その形状・効用の著しい変更である)集会に出席した区分所有者(議決権を有しない者を除く)およびその議決権の各3/4以上(特別決議事項)
建て替え・建物敷地売却※すべての区分所有者(議決権を有しない者を除く)およびその議決権の各4/5以上(マンション再生等に係る決議)
※客観的な事由が認められる場合のマンション再生等に係る決議の多数決要件は3/4以上に緩和される
出所:海宝 賢一郎氏作成

解説:海宝 賢一郎氏(CFP®認定者)

本記事は執筆時点の情報に基づいており、最新の情報と異なる場合があります。

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