公開:2026.10.15

5年連続上昇の路線価 その傾向と相続税・贈与税への影響は?

路線価(標準宅地)の平均値

2026年7月に公表された相続税路線価(以下、路線価)は、全国的に強い上昇傾向を示しています。

全国約31万地点の標準宅地における対前年平均変動率は+2.9%となり、5年連続で上昇しました。これは、現在の算出方法となった2010年以降で過去最大の上昇率です。都道府県別では東京都の9.4%が最も高く、沖縄県、大阪府も上昇が5%を超えました。

全国最高路線価は東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通りで1㎡当たり5,336万円と、41年連続の首位となりました。

全国的な路線価上昇の背景には、インバウンド(訪日外国人)需要や堅調な住宅需要、再開発の進展などが挙げられます。

図表 令和7年分で下落または横ばいだった県庁所在都市の令和8年分の動き

都市最高路線価の所在地最高路線価(千円/㎡)対前年変動率
令和8年分令和7年分令和8年分令和7年分
山形香澄町1丁目 山形駅前大通り1801752.9%0.0%
福島栄町 福島駅前通り2052002.5%0.0%
水戸宮町1丁目 水戸駅北口ロータリー2252202.3%0.0%
前橋本町2丁目 本町通り1451357.4%0.0%
名古屋中村区名駅1丁目 名駅通り13,04012,8801.2%0.0%
津羽所町 津停車場線通り1951950.0%0.0%
和歌山友田町5丁目 JR和歌山駅前3803702.7%0.0%
鳥取栄町 若桜街道通り91910.0%▲3.2%
松江朝日町 駅通り1451403.6%0.0%
山口小郡黄金町 山口阿知須宇部線通り1501453.4%0.0%
徳島一番町3丁目 徳島駅前広場通り3002951.7%0.0%
松山大街道2丁目 大街道商店街7006901.4%0.0%
出所:国税庁「令和8年分都道府県庁所在都市の最高路線価」を基に日本FP協会作成

県庁所在地の下落はゼロ、実家の評価額が上がる可能性も

都道府県庁所在都市の最高路線価は44都市で上昇し、青森、津、鳥取の3都市は横ばい、下落は35年ぶりにゼロでした。さいたま、東京といった都市部だけでなく、盛岡、奈良、佐賀などの地方都市も前年比で10%以上上昇しています。

これらの結果から、地価上昇が大都市圏だけの動きではない点がうかがえます。ただし、最高路線価は駅前や商業地が中心で、地方の住宅地すべての上昇を示すものではありません。

それでも実家周辺にも路線価の上昇が及んでいれば、以前より土地の評価額が上がり、相続税がかかる場合には、税額が想定より増える可能性もあります。相続税負担の増加が気になる場合、早めに路線価などで土地の評価額を確認し、必要に応じて生前贈与などの対策を講じるとよいでしょう。路線価は、贈与税でも土地評価の基準になります。

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