FPトレンドウォッチ
2026.06.18
物価高で増加する「リボ払い・キャッシング」利用、金利上昇で返済リスクの上乗せも
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公開:2026.05.29
イラン攻撃によって、原油価格が高騰していますが、その余波が日本の物価上昇にもいよいよ及んでくることが警戒されています。
発表されている消費者物価指数をみると、2026年4月時点は前年比1.4%となっており、一頃に比べて、まだ「鎮静化」している状況です。これは政府によるガソリン減税+補助金と電気ガス代支援で押し下げが行われているからだと推察できます。
この「沈静化」している状況を見ると、原油高の影響は想像よりも小さいと考える人もいるかもしれません。しかし、過去の事例を振り返ると原油高による物価上昇は3~9か月後に進む傾向があり、4月のデータには、イラン攻撃に伴う原油高騰の影響がそれほど出ていないと考えられます。
それでも、企業間の流通段階を見てみると国内企業物価指数の前年比4.9%(4月)、企業向けサービス価格指数の前年比3.0%(4月)と、消費者段階(小売・サービス)より高くなっています。
この川上のコストアップは消費者物価の押し上げにも当然寄与するでしょう。先述の消費者物価指数が示す通り、現在は1.4%と小幅のインフレ率は2%台半ばから後半にまで上がってもおかしくはないという見立てもあります。今は、政府の支援によって、物価高が一時的に引き下げられているに過ぎないのかもしれません。
今後、川上から川下へと物価上昇の圧力が高まることを考えると、5月以降の消費者物価はプラス幅を広げていく可能性があります。川下までの価格転嫁は、過去の傾向を踏まえると半年から1年間程度続くという見立てもあるため、2027年前半まで少なくとも原油高の尾は引くとみられます。
火元になっている原油高騰は、2月28日にイラン攻撃が始まって以降、3月1日~5月27日までの平均価格(WTI)が1バレル約96ドルまで上がっています。前年(2025年)の平均価格が65ドル程度だったので、対前年比ではおよそ1.48倍になっている計算です。
この原油高騰で値上げされる石油製品のすそ野はもの凄く広くなるでしょう。
ガソリン・灯油ばかりではなく、航空運賃、タクシー料金、宅配料金などへの波及が挙げられます。
また、現在はナフサ(原油を精製して作られる)不足が取りざたされており、医療用手袋(合成ゴム製品)、注射器(プラスチック部品)が入手できなくなると、人命にかかわるという声もあります。
そのほか、化粧品、シャンプー、洗剤、化学繊維、塗料、断熱材、発泡スチロール、ラップ・容器など、原油高の影響を受ける製品は広範囲に亘ります。住宅建設コストは特に上がりそうという話もあります。また、漁船で燃料を使う魚介類、飼料高騰による鳥・豚などの食肉、肥料を使用する農産物の価格も上がっていくという見立てがあり、食料品の値上がりによる生活への大きな打撃も推測されています。
実のところ、物価の情勢をつぶさに点検すると、石油製品だけが上がっているかと言えば、それだけではありません。銅やアルミニウム、半導体価格なども国際的に商品市況が高騰していることを受けて、驚くほどに価格上昇が進んでいます。最近はパソコンなど家電・情報機器も値が上がっています。
追加的な物価上昇圧力に対して、政府の社会保障国民会議では食料品の消費税率を検討しています。現在の8%を0%へと引き下げる案です。直近では0%ではなく1%にするという案も議論されていますが、仮に外食サービスを除く食料品の課税が0%になったとして、そのインパクトを計算してみます。すると、外食以外の食料品ウエイトが家計の消費支出のうち22%程度とされているため、それに▲8%をかけると▲1.7%程度の支出減になると予想されます。
このインパクトは大きいので、原油高の悪影響は多少吸収できそうですが、消費税減税は2年間の期間限定での実施が検討されています。つまり支出の面だけで見ると、原油価格が消費税減税の行われている2年間で以前の60ドル台にまで抑えられる世界情勢に戻らなくては、原油高による家計への打撃が避けられないと言えます。
今回の原油高を招いた一因でもあるトランプ大統領の任期は、2025年1月から2029年1月までです。ポスト・トランプ時代がどうなるかが、世界のインフレ情勢の帰趨を握っているかもしれません。
記事の内容は、取材先や執筆者等の見解を示したものであり、日本FP協会の意見・方針等を示すものではありません。
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