FPトレンドウォッチ
2025.10.24
「お得」に惑わされないお金の使い方(下)
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公開:2025.07.03
更新:2025.10.16
(上)でも紹介したとおり、金融リテラシーを身に着けるには、幼いころからの教育が重要です。金融教育の第一歩として取り入れやすいのが、買い物をとおしたお金のやりとりの体験です。
まず、子どもと一緒に買い物に出かけ、大人がお金を支払う場面を見せましょう。そうすることで、必要なもの、欲しいものは無条件で手に入るのではなく、お金で買うという流れを感覚的に理解することにつながります。
次に、お金がどこから得られ、どのように使われるか、お金の流れを見せましょう。お金をATMから引き出す際には、このお金は働いた対価であること、この対価が食費や光熱費、家賃・ローンの支払いに充てられ、預貯金にも回るなど、欲しいものを買う以外にも、暮らしに欠かせない使いみちが決まっていることを大まかに理解させていきます。
ATMはいくらでも引き出せる打ち出の小づちではないことも伝えるようにしましょう。なぜご飯が食べられるのか、なぜ電気が点いているのかという日常の小さな疑問に結び付けて話をすると、幼い子どもでもイメージがつかみやすくなります。
キャッシュレス決済が主流となり、現金のやり取りを目の当たりにする機会が少ない子どもも増えています。クレジットカードやネットショッピングで買い物をした場合でも、使ったお金は銀行口座から引き落とされて、その分だけ残高が減ることも伝えましょう。
お金の流れが理解できたら、お小遣いを渡して自分で管理させることを実践してみましょう。洗濯物をたたむ、食卓のテーブルを拭くといったお手伝いの対価としてお小遣いを渡すことで、「お金は働いた成果として得られるもの」という意識を、経験をとおして持ちやすくなります。
ベネッセ教育総合研究所が行ったアンケート調査によると、小学生にはお小遣いを「渡していない」という回答が4割に達していますが、その4割の中には、毎月に決まった金額ではお小遣いを渡していないものの、お手伝いの対価や勉強や習い事などを頑張ったご褒美として不定期に渡しているという家庭も含まれているかもしれません。(図)
出所:ベネッセ教育総合研究所(https://benesse.jp/)
お小遣いを渡している層では、小学生は「月500~1,000円未満」、中学生は「月1,000~3,000円未満」という回答が最多数となっています。一方でお小遣いを「渡していない」と答えた層は小学生が42%、中学生は25%を占めています。
お小遣いを渡すときには、使い道を子どもと話し合うとともに、お小遣い帳を付けることをルール付けすることをおすすめします。お小遣い帳を通して、何にいくら使ったのか振り返りがしやすくなり、お金の管理能力が身につきます。
最後に、友だちとお金の貸し借りはしないことを伝えるのもお忘れなく。子ども同士でのお金のやり取りはトラブルのもとになりやすいです。お金にルーズになる要因にもなり得ますので、必ず守るようにお小遣いを渡す前にしっかり伝えるようにしましょう。
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