公開:2026.07.16

「職場の熱中症対策」の義務化で考える「酷暑」時代の働き方

「酷暑日」が続く中で義務化された熱中症対策

近年、夏に記録的な高温が続いており、最高気温40℃以上の日が「酷暑日」と呼ばれるようになりました。

夏の厳しい暑さは、熱中症などの健康問題をはじめ、集中力低下、作業効率の悪化などによる生産性低下などの経営課題につながります。こうした背景から、職場における熱中症対策を強化するため「改正労働安全衛生規則」が2025年6月から施行されました。

改正規則の柱は、熱中症リスクが高い作業環境における「暑さ指数(WBGT)」の把握と、それに基づく措置の義務化です。事業者は該当する作業場所のWBGT値を測定または推計し、把握しておく必要があります。WBGT値が基準を超えた場合、または超えるおそれがある場合などには、以下の対策が「義務」として課せられています。

  • 作業環境の管理(屋外作業場に屋根を設置、空調環境の整った休憩場所の整備)
  • 作業管理(作業時間の短縮や通気性の良い服装の整備)
  • 健康管理(健康診断結果に基づく対応や日常の健康管理)
  • 労働衛生に関する教育(熱中症の症状や予防方法など)
  • 報告体制および応急対応手順の整備・周知

熱中症による災害発生件数は高止まり傾向

厚生労働省の統計によると、職場での熱中症による死傷者数(死亡・休業4日以上)は、平成24〜29年が500人前後だったのに対し、平成30年以降は令和3年を除き、800〜1,200人の間を推移しています。熱中症対策を怠ることは、安全配慮義務違反として法的リスクや損害賠償につながるだけでなく、企業の持続可能性を脅かす要因となります。

図 夏季の気温と職場における熱中症の災害発生状況(平成24年以降)

出所:厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」

酷暑の到来による熱中症を防ぐため、厚生労働省が中心となり「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」が展開されています。これはWBGT値の低減、通気性の良い作業服の着用、労働者の健康診断結果に基づいた配慮などを推奨するもので、5〜9月が実施期間、うち7月が重点取組期間となっています。

厳しい暑さが続く今こそ職場や家庭で熱中症に対する関心を高め、健康被害を防ぎましょう。

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