FP・専門家に聞く
2026.04.09
【独立・起業】フィービジネスの本質と「利益」を生む構造(中野克彦氏)
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公開:2026.03.03
更新:2026.04.09
「介護・施設」の第4回目は、「ケアハウス(一般型・介護型)」「サ高住」「シニア向け分譲マンション」について解説します。
ケアハウスとは、経費老人ホームの「C型」に当たる施設で、自宅での生活に不安を感じる高齢者を対象とした福祉施設です。医療法人や社会福祉法人など民間による経営ですが、自治体から建設費や管理費が助成されており、ほかの民間施設より入所者の負担が抑えられています。
入所時には数十万~300万円程度の一時金がかかり、数十万円の例が多いようです。
特別養護老人ホーム(特養)は年間所得や資産額、要介護度に応じて月額費用が決まりますが、ケアハウスでは資産額は問われない、という違いがあります。そのため、資産があっても収入が少ない人といった場合は比較的低額で利用できます。相談者にケアハウスをご案内すると喜ばれることが多く、コンサルティングでは老後資金に不安があり、かつ、年金が少ない方にケアハウスをご紹介した例などがあります。
すべて個室で、部屋にはトイレと洗面台が設置されており、一部ですが、シャワーが付いているケアハウスもあります。食事は3食提供されます。共有スペースもあり、レクリエーションなども行われます。
ケアハウスには、「介護型」と、「一般型」があり、介護型と一般型の混合施設もあります。
一般型は、60歳以上の自立・要支援の方が対象です。自立時から入所でき、費用も抑えられるのが特徴です。
施設内に介護スタッフがいないため、入所後に介護が必要になった場合は外部の訪問介護サービスなどを利用する必要がありますが、要介護1~3程度までは暮らすことができます。ただし内部で24時間の介護を受けることはできませんから、要介護3程度で特養などに転居するケースが多いようです。ケアハウスの経営母体は、ケアハウスのほかに特養を経営している例も多く、要介護3程度になると、系列の特養を紹介されるのが一般的です。実際、一般型で暮らす高齢者には、要介護1~2程度までの方が多くなっています。
一般型では入所時の費用は30万~数百万円、月額費用は7万~15万円程度が目安です。
一方、介護型のケアハウスは、特定施設入居者生活介護の指定を受け、24時間体制で介護を受けられる施設です。特養は原則的に要介護3以上の方が対象ですが、介護型ケアハウスに入所できるのは65歳以上・要介護1以上の高齢者です。つまり、特養よりも早い段階での入所が可能なのです。要介護5まで住み続けることができ、原則として看取りまで対応してくれます。また特養への入所を待機しながら、一時的に介護型ケアハウスを利用するといった使い方をする例もあるようです。
入所時の費用は30万~数百万円、月額費用は10万~18万円程度が目安です。
私も多くのケアハウスを見学しましたが、綺麗なところ、暮らしやすそうな施設も少なくありません。しかし、特に介護型は施設数が少なく、地域、施設によってはなかなか入居できないという問題もあります。例えば東京都区部で運営されている人気のケアハウスでは、常に多くの待機者がいる状態。区内に居住している人を対象としているため、そこに入所できるよう、移住する人もいるほどです(すべてのケアハウスが地元住民に限定しているわけではありません)。
ケアハウスの情報を得るには、インターネットで「〇〇市 ケアハウス」などと検索するか、自治体や地域包括支援センターに、「ケアハウスの情報を知りたい」と問い合わせてみましょう。ケアハウスについて知らない人も多く、FPが情報を持っていれば、相談者に具体的な情報を提供することができ、とても喜ばれると思います。前述のように、要支援(一般型)や要介護1~2(介護型)でも利用できる、所得が少ない人でも利用しやすいなどの利点があり、アドバイスの幅も広がります。
「介護を必要としていないものの、なにかあったときのことを考えると不安」、「広い家を管理するのは大変」といった方の選択肢になりそうなのが、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。
ひと言でいうとシニア向けの賃貸住宅で、一般の賃貸住宅と異なるのは、「バリアフリー設計」であることと、「見守り」や「生活相談」があることです。住戸内は原則25㎡以上と一般的なワンルームなどより広め。バリアフリーで安全に暮らすことができます。
居室内やトイレなどにセンサーが付いている物件も多く、室内での移動がない、長時間トイレを利用していないなどのサインから、倒れていないかなどが察知されます。日常的な困りごとや、介護が必要になった場合の介護サービスの案内なども生活相談として対応してもらえます(サービスの範囲や内容は施設により異なる)。施設によっては、建物内に介護サービス事業者が入居していたり、定期的な訪問による健康診断が受けられたり、訪問診療を受けられたりする例もあります。
介護が必要になった場合には、外部の介護サービスを利用します。自宅で訪問介護を受けるのと同様に思えますが、実は大きな違いがあります。自宅で介護を受ける場合、買い物や調理などを依頼する必要があり、公的介護保険の多くの点数を使わざるを得ません。サ高住では食事を提供するサービスがありますから、それを利用すれば食事関連に介護保険を使わずに済み、その分、身体介護に介護保険を使うことができます。これは大きなメリットです。
ちなみに、食事は食べたいときだけ利用すればよく、朝は自室で簡単に済ませる、昼や夜は疲れたときだけ利用するなどの使い方もできます。施設によりますが、食事メニューは毎食2種類から好みのほうを選べたり、麺類などの常食を選択できたりする例もあります。また特養や一部の有料老人ホームでは衛生面への配慮や健康状態の管理などの側面からデリバリーの利用が禁止されていますが、サ高住ではそうした制限もありません。もちろん、外出も自由です。
そうしたことからも、サ高住は、自立していて自由に暮らしたいが見守りがあると安心という高齢者や、要支援や軽度の介護状態であるものの自由さも欲しいという高齢者の選択肢として考えるとよさそうです。実際に自立・要支援でサ高住に入居した理由として、「一戸建てでの一人暮らしが不安」「押し込み強盗などの危険があり、怖い」といったものが多いようです。車を保有している人や、サ高住から通勤している人もいるようです。
一般の賃貸住宅と同様、入居時には敷金、礼金がかかり、数十万円が目安です。見守りサービスなどがあるため、一般の賃貸住宅より管理費用は高めです。単身者向けのワンルームタイプのほか、夫婦で入居できるタイプや3LDKなどの広い部屋を選べるサ高住もあります。
サ高住が賃貸マンションであるのに対し、借りるのではなく、購入するのが、「シニア向け分譲マンション」です。バリアフリー設計で、サ高住と同様に見守りサービスや食事の提供などがあります。新築マンションのほか、中古マンションも流通しています。新築では数千万円から億超えの物件もあり、高額物件は資金に余裕がある高齢者向けになりますが、自宅の買い替えでシニア向け分譲マンションを選ぶ方もいます。
入居者には、介護の必要がなく、自立している高齢者が多いといえます。入居後に介護が必要になった場合は、サ高住と同様に外部の介護事業者に依頼し、在宅サービスを受ける形になります。要介護でも入居は可能ですが、ほかの居住者が外出や旅行などアクティブに暮らしている中、手厚い介護を受けながら暮らすのは精神的につらいと感じるかも知れません。要介護3程度になったら、マンションを売却して介護施設に移る、といったプランを考えておくとよさそうです。
ほかの入居者への配慮などもあり、入居時に55歳以上など、年齢制限が設けられているのが一般的です。最近注目しているのが、一部、40歳から入居可能としている物件があることです。私はひきこもりや障がいなどで働けないお子さんとご家族の生活設計を支援していますが、そうした物件であれば、高齢者と40代の子が親子で入居するなどの暮らし方もできると考えています(食事の提供がある点でも安心)。
物件はさまざまですが、1DK以上、広めのキッチンがあるなど、サ高住より広めの物件、グレードの高い物件が多いようです。レストランやジム、カラオケ室、シアタールームといった娯楽設備など、共有施設が充実している例もあります。商業施設や医療施設があるエリアへの巡回バスを運行させている物件なども見受けられます。フロント機能や共有施設が充実しているほど、管理費は高めになります。サ高住とは異なり、修繕積立金や固定資産税もかかりますが、購入するので家賃はかかりません。
有料老人ホームなど別の高齢者施設に転居する場合や他界した場合は、売却することができます。分譲主が自社の仲介部門で売却を支援している例や、別の物件の取引事例もありますから、確認しておくとよさそうです。お子さんが相続して居住することもできます。
CFP®認定者
畠中 雅子 氏
家計、保険、教育費、住宅など、幅広い分野で新聞、雑誌、WEBなどに多数連載。セミナー講師や講演、相談業務も行う。2002年から高齢者施設の見学を開始。住み替えなどのアドバイスも行っている。ひきこもりの子どもを持つ家庭に向けた「働けない子どものお金を考える会」なども主宰。
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