公開:2026.10.02

インバウンド回復の裏で進む「宿泊税」の導入と影響

宿泊税の仕組み

インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加や観光需要の回復を背景に、全国で「宿泊税」を導入・検討する自治体が増えています。

宿泊税とは、ホテルや旅館などの利用者が宿泊料金に応じて負担する地方税です。宿泊施設が料金とあわせて徴収し、自治体へ納付する仕組みになっています。法的には自治体が条例で独自に設けられる「法定外目的税」に位置付けられ、税収は地域の観光施策に充てられます。

宿泊税の導入が進む背景には、混雑対策やごみ処理、多言語対応など自治体が負担するコストの増加があります。その費用の一部を宿泊者にも負担してもらうことで、観光資源の保全や受け入れ環境の整備など、持続可能な観光地づくりに活用する財源を確保する狙いがあります。

導入拡大や税額引き上げの影響

宿泊税は、宿泊料金に応じて100円、200円など段階的に一定額を徴収する「定額制」と、一律で宿泊料金の数%を徴収する「定率制」の2種類があります。利用者にとっては、数百円程度の負担にとどまるケースもあれば、負担額が大きくなることもあります。

例えば、京都市は、2026年3月から宿泊料金が1人1泊10万円以上の場合の宿泊税を1,000円から1万円へ引き上げました。また、東京都は現行制度では宿泊料金によって最大200円が課される定額制を採っていますが、2027年4月から一律3%の定率制(1人1泊当たり13,000円未満の宿泊を除く)に移行し、新たに簡易宿所や民泊も課税対象に加わる予定です。

なお、温泉地では、宿泊税に加えて入湯税も課される場合があります。宿泊税は宿泊行為に、入湯税は温泉への入浴行為に対して課税されるため、両者は課税目的が異なり、法的にも別の税です。

宿泊税の有無や税額は自治体ごとに異なるため、旅行先によって費用負担に差が生じますが、税収は観光インフラの整備などに活用されるため、旅行者の利便性向上につながることも期待されます。

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