公開:2025.12.03

投資詐欺、ロマンス詐欺…… 被害急増の「SNS型詐欺」にご用心(下)

なぜ若年層が詐欺被害に巻き込まれるのか?

若年層を含め全世代に被害が広がっている「SNS型投資詐欺」、「SNS型ロマンス詐欺」などのSNS詐欺。20~30代の若年層がこうした詐欺被害に巻き込まれる主な理由として、情報収集先がSNSに偏っていることが挙げられます。

20~30代の多くは、あらゆる情報をSNS経由で得る傾向にあります。SNSは自分に興味関心のある情報が中心となりやすく、詐欺や犯罪などの注意喚起情報にはなかなか触れにくい傾向があります。

また、電話や封書、メールなどを通じて不特定多数から金銭等をだまし取る特殊詐欺はこれまで「高齢者がターゲットになる」という印象が強かったため、若年層に向けた注意喚起が少ないことも、そうした情報に行き着かない要因の一つだと言われています。

さらに、若年層は「警察官」「投資家」など、権威性を利用した詐欺に弱い傾向もあります。例えば近年急増している「ニセ警察詐欺」の場合、実在する警察本部の電話番号になりすまして発信したり、制服を着用した人物とのビデオ通話を利用したりするケースがあります。ここで「あなたの口座が特殊詐欺に使われた」、「闇バイトに悪用されている可能性がある」と恐怖や不安を煽られた結果、冷静な判断ができなくなってしまうのです。

図 ニセ警察詐欺(※)の認知件数と被害額(2025年上半期)

出所:警察庁「ニセ警察詐欺に注意」を基に日本FP協会作成

若年層はまだ年収が高くなく、就職後の収入への不満、将来の資産形成への不安、奨学金の返済といった課題を抱えやすい時期でもあります。そのため「楽に稼げる」「少額の投資で高収入が得られる」といった“うまい話”に強く惹きつけられやすいと考えられます。

お金に関する知識や経験が十分ではない場合、受け取った情報を鵜呑みにして行動しがちです。一般常識や他のメディアの報道などあらゆる情報を組み合わせ、複合的に判断・行動していくことで、詐欺被害の防止につながります。

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