公開:2026.03.04

新年度前に確認したい、扶養の手続きと社会保険

扶養の対象になる範囲

新年度を迎えるにあたり、家族の就職や退職などで扶養状況が変動する可能性があります。扶養には税制上の扶養と社会保険上の扶養があり、それぞれ対象範囲や手続きが異なります。

税制上の扶養は、所得税や住民税に関する控除対象の扶養親族がいる場合、納税者本人が所得控除を受けられる制度です。扶養親族の要件はいくつかありますが、条件を満たせば納税者と親族の同居の有無は問われません。

社会保険上の扶養は、主に健康保険と公的年金において、被保険者に生計を維持されている家族が、保険料負担なしで保障を受けられる制度です。健康保険については原則として被扶養者である三親等以内の親族が対象となります。年金については、厚生年金の加入者(第2号被保険者)の配偶者であれば第3号被保険者になることが可能です。その場合、国民年金保険料の納付義務はありません。

図表 社会保険の扶養と税制上の扶養の違い

税制上の扶養社会保険上の扶養
目的扶養親族のいる納税者の税負担を軽減納税者の扶養親族の保険料納付の負担を軽減
該当する条件【扶養親族の主な要件】
・6親等以内の血族と3親等以内の姻族(配偶者を除く)
・納税者と生計を一にしている
・年間の合計所得金額58万円以下
・青色申告者の事業専従者として給与を受け取っていない、または白色申告者の事業専従者でない

【配偶者控除・配偶者特別控除の対象となる主な要件】
・配偶者が民法上の配偶者である(内縁関係、事実婚は除く)
・納税者とその配偶者が生計を一にしている
・配偶者の年間の合計所得が一定水準以下
・配偶者が青色申告者の事業専従者として給与を受け取っていない、または白色申告者の事業専従者でない
・納税者の合計所得金額が1,000万円以下である
【収入要件】
・同居の場合、年収130万円※未満かつ被保険者の収入の半分未満
・別居の場合、年収130万円※未満かつ被保険者からの仕送り額未満

【同一世帯の条件】
・被保険者に生計を維持されている直系尊属、事実婚を含む配偶者、子、孫、兄弟姉妹(必ずしも同居している必要はない)
・被保険者と同居して生計を維持されている上記以外の3親等以内の親族
・被保険者と同居して生計を維持されている配偶者の父母および子など

※60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満
出所:国税庁Webサイト、全国健康保険協会Webサイト、日本年金機構Webサイトを基に日本FP協会作成

扶養状況に異動がある場合の手続き方法

税制上の扶養に関する手続きは、勤務先へ提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」で行います。新年度に家族の扶養状況が変わる場合は、その異動の後、納税者本人が最初に給与を受ける日の前日までに申告書を提出する必要があります。

社会保険上の被扶養者の追加や削除が生じた場合、発生から5日以内に勤務先を通じて健康保険組合または年金事務所へ届け出が必要です。扶養から外れる際には、健康保険証の返却も忘れないようにしましょう。配偶者の扶養状況が変わる場合、国民年金の第3号被保険者関係届も同時に提出します。

手続きが遅れると保険給付に影響が出る可能性があるため、速やかな対応が求められます。

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