公開:2025.09.01

被災後に活用できる住宅再建制度~防災の日に考える、いざというときにやるべきこと~

住まいが被災した際には被害状況の撮影が重要

地震や津波、台風、豪雨などの自然災害によって自分の住まいが災害の被害を受けたとき、やっておくべきなのは「被害状況の撮影」です。罹災(りさい)証明書の発行や損害保険を請求する際などに役立ちますので、片付けや修復に取り掛かる前に撮影しましょう。

罹災証明書には世帯情報や住宅の所在地、罹災原因などに加えて「住家の被害の程度」も記載されます。この判定に応じて、その後受けられる支援金や補償内容も変わります。

図表 住家の被害認定基準

被害の程度全壊大規模半壊中規模半壊半壊準半壊準半壊に
至らない
(一部損壊)
損害判定基準
(住家の主要な構成要素の経済的被害の住家全体に占める損害割合)
50%以上40%以上
50%未満
30%以上
40%未満
20%以上
30%未満
10%以上
20%未満
10%未満
出所:内閣府「災害に係る住家の被害認定基準運用指針 改定案(抜粋)」を基に日本FP協会作成

被害状況を撮影する際、建物の外観は4方向から撮ることが重要です。浸水被害を受けた場合には、メジャーをあてて浸水の高さが分かるように撮影します。内観は被災した部屋ごとの全景のほか、被害程度が分かるように被害箇所をクローズアップして撮っておきます。システムキッチンや洗面台などの住宅設備や家電、自動車や物置、農機具なども撮りましょう。撮影方法の詳細は政府広報(https://www.gov-online.go.jp/prg/prg22018.html)でも解説されています。

被災後の住宅再建に関する公的支援

災害で住宅が全壊または大規模半壊などによって生活基盤に著しい被害を受けた場合には「被災者生活再建支援制度」の対象になることがあります。この制度は住宅の被害程度と再建方法に応じて最大300万円が支給されます。

災害が発生した地域に災害救助法が適用されると、仮設住宅など当面の住まいのあっせんが行われます。民間賃貸住宅を借り上げた「賃貸型応急住宅」や公営住宅のほか、UR(都市再生機構)賃貸住宅、国家公務員宿舎などがあっせんされるケースもあります。

このほか住宅の応急的な修理を自治体経由で業者に委託できたり、被災した家屋の復旧に必要な資金に関して低利で融資が受けられたりする場合もあります。

9月1日は防災の日です。この機会に、災害時の身の守り方の確認や非常用持ち出し袋の点検に加え、暮らしを立て直すために必要な手続きも確認しておきましょう。

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