公開:2026.03.12

住宅ローンの「5年ルール」「125%ルール」は有利なのか?(下)

5年ルールと125%ルールの有無で返済額はどう変わる?

前回説明した変動金利型住宅ローンにおける5年ルールは、家計の急変を防ぐ役割が期待できます。しかし毎月の返済額が変わらないため、契約者が金利上昇に気づきにくい点が課題です。

毎月の返済額が変わらなくても、実際には利息の割合が増え、元金の減りが遅くなっています。まずは金融機関から届く通知を確認し、現在の適用金利を正確に把握する必要があります。

また、返済額が25%増加した場合の支払い計画を想定しておくことも重要です。例えば月に10万円返済している場合、5年後には12.5万円まで増える可能性があります。それによって家計収支がどう変わるのか、今のうちから試算しておくとよいでしょう。

ただし、実際に返済額が見直されるまでには最長5年間の猶予があるため、慌てて行動する必要はありません。未払利息の発生リスクを踏まえつつ、返済計画の再構築を検討しましょう。

図表 5年ルールと125%ルールの有無での返済額の違い

【前提条件】
借入元金3,000万円
返済期間35年(ボーナス返済なし)
元利均等返済
借入金利 1年目:0.5% 2年目以降:1.5% 4年目以降2.5%
5年ルール・125%ルールなし5年ルール・125%ルールあり
初回から77,875円77,875円
2年目から91,044円77,875円
4年目から104,651円77,875円
6年目から104,651円97,343円
出所:日本FP協会作成

有効な対応策は残存期間や家計状況次第

金利上昇局面における効果的な対応策の一つが、繰り上げ返済です。元金を減らすことで金利上昇時の利息負担増を軽減でき、残債が多い時期ほど利息軽減効果が大きくなります。緊急時に備えて約6カ月分程度の生活費は確保した上で、繰り上げ返済を検討するのが適切です。

また、借り換えも有力な選択肢です。一般的には、残高1,000万円以上、残存期間10年以上、金利差1%以上であれば借り換えメリットが生じる可能性が高いとされています。しかし、金利差が1%未満でも借り換え効果が得られる場合もあるため、諸費用も考慮して総合的に判断するとよいでしょう。

金利上昇への対応策には、一律の正解はありません。残存期間、家計状況、ライフプラン、そして現在の金利水準に応じて個別に考えていきましょう。

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