公開:2025.09.12

3つの貯蓄、人生を豊かにする知恵【トレンド+plus】

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「貯蓄」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。おそらく、多くの方がお金を貯めることを想像したと思います。
では、人生を豊かにするには、お金の貯蓄だけでよいのでしょうか?お金は十分にあるに越したことはありませんが、それだけで十分とは言えません。お金の貯蓄は必要条件ですが、十分条件ではないのです。

ほかに必要になるのは、2つの「貯蓄」です。
これは、健康習慣を続ける「健康の貯蓄」周囲の人から信頼を得るために尽力し続ける「信頼の貯蓄」です。

「健康の貯蓄」と「信頼の貯蓄」は、いずれもこつこつと時間をかけて積み立てる必要があり、一気には得られません。また、ある日、突然に失うこともあります。元本割れリスクのようなものです。

しかし、健康な身体と周囲の人たちとの深い信頼関係は、人生を豊かに過ごすうえで無類の強みになるでしょう。

毎日の習慣で「健康の貯蓄」を積み上げる

具体的に、「健康の貯蓄」は、①規則正しい生活習慣づくりと、②健康に対して危険な行動をしないことによって出来上がります。
一例になりますが、「健康の貯蓄」のためには次のような方法があります。

記録をとおして、歩くことを習慣化する

何気なく行っている「歩く」ことを習慣的に記録するだけで、自意識が高まって、歩数が増える可能性があります。歩数の計測には、スマートフォンのアプリを使ったり、万歩計を活用したりという手段が考えられます。
計測した歩数は、アプリなどで記録するのも良いですが、家計簿や手帳に歩数・体重・読書数など自分にあわせた日々の記録スペースを作り、その日の自分の情報を一目で振り返ることができるようにしても良いかもしれません。
毎日1万歩以上歩くことを目指し、歩きながら仕事のアイデアを考える、など歩くことに関するマイルールづくりもおすすめです。

夜ふかしをせず、過度のストレスを貯めない

夜ふかしと過度のストレスは、健康の貯蓄元本割れリスクを生じさせます。
夜ふかしを減らし、睡眠の質を高めるためには以下のような方法があります。

  • 夜6時以降は、パソコンやスマホを使いすぎないようにする。
  • 肉体を適度に疲れさせてあっと言う間に眠りに落ちることを目標にする。
  • 夜の呼吸は、横隔膜を下げることで深い呼吸を心がける。
  • 副交感神経を優位にする瞑想を行う。

土や植物に近づき、ほっとするとリラックスしているときにあらわれる脳のα波が増えるため、森や公園で行うと効果があります。

危険なのは、精神的にくよくよしたり、誰かを恨んだり、妬んだりすることです。先々のスケジュールは、可能な限り詰め込みすぎないようにして余力を作っておきます。ビジネスで「ムリ・ムラ・ムダ」を無くすということがありますが、生活習慣もこれと同じです。

「信頼の貯蓄」は、自分が窮地に立ったときに役立つ魔法の杖

では、「信頼の貯蓄」はどうでしょうか。人間関係は、身近な人と信頼の絆で結ばれているほど安定します。仕事で困ったときは、誰かの助けを借りる必要に迫られますが、日頃周囲の人を助けていれば、いつか自分にも返ってきます。
言葉は悪いですが、他人に売った恩が大きいほど「信頼の貯蓄」は大きくなり、いつの日にか自分に多大な配当をもたらします。

映画や小説などでは、主人公が人的ネットワークを強くして、それを基盤にのし上がっていく姿がしばしば描かれます。「信頼の貯蓄」とは、人間関係の貯蓄とも言えます。

皆さんの知人の中にも、「困ったときには、あの人に相談しよう。この問題だったら、その人がよい」と教えてくれる豊富な人脈を持った方がいるのではないでしょうか。そうした人脈は、長年かけてその人が築いた宝だと思います。

「健康の貯蓄」も「信頼の貯蓄」も、注意すべきは、人生で1度か2度は起こる元本割れです。突然に大病を患って長期間仕事を休むことになってしまった、他人の信頼を裏切る結果になり悪評が立ってしまったなど、今までの貯蓄が無くなってしまうようなことは誰にでも起こりえます。

しかし、心配には及びません。元本割れになれば、次の日から「健康の貯蓄」と「信頼の貯蓄」をまた一から始めればよいのです。病気になって仕事を休んだときは、「もう人生は終わり…」と思っても健康に戻った後、元通りに働いている人は大勢います。過剰に元本割れを恐れることもまた不利益が大きいのです。

「お金の貯蓄」だけでなく、「健康の貯蓄」も「信頼の貯蓄」もこつこつと積み上げていく。これが、人生を豊かに過ごすための3つの貯蓄の重要性です。

記事の内容は、取材先や執筆者等の見解を示したものであり、日本FP協会の意見・方針等を示すものではありません。

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