公開:2025.09.25

ライフステージ別「お金の不安」解消策(中)

産休・育休による30代の収入減と教育費の悩み

本シリーズ中編となる今回は、30代の夫婦が抱えがちな「お金の不安」と、それを乗り越えるための具体的な対策を解説します。

30代は、出産に伴う出費や産休・育休による一時的な収入減を不安に感じる人が多い傾向にあります。産休・育休中は給与が支払われないことがほとんどのため、家計のやりくりに不安を感じやすくなります。

また、長期的な視点で家計の負担となるのが、子どもの教育資金です。文部科学省や日本政策金融公庫の調査によれば、子ども1人を幼稚園から大学卒業まで育てるのにかかる教育費は、すべて国公立に進学した場合でも1,000万円以上、すべて私立(大学は文系)の場合は2,600万円以上かかります。年々増える学費を前に、計画的な準備の必要性を感じている人も少なくありません。

※文部科学省 令和5年「子どもの学習費調査」および日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査」より日本FP協会算出

公的制度と学資保険で備える

出産から子育て中の収入減少をカバーするさまざまな公的制度が用意されています。申請しないと受け取れない給付金も多いため、図表に挙げた制度はぜひ知っておきましょう。

図表 出産・育児に関する公的支援(一例)

制度名概要
出産育児一時金妊娠4カ月(85日)以上で出産した場合に支給される給付金
出産手当金出産のため会社を休み、給与の支払いがない場合に支給される給付金
育児休業給付金原則1歳未満の子を養育するために育休を取得した場合に支給される給付金
出生時育児休業給付金
(2022(令和4)年10月~)
産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した場合に支給される給付金
出生後休業支援給付金
(2025(令和7)年4月~)
子どもの出生後、一定期間以内に、被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得する場合に支給される給付金
社会保険料の免除産休・育休期間中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除される
児童手当0歳から高校卒業までの子どもを養育している人に支給される給付金
出所:厚生労働省、子ども家庭庁Webサイトなどを基に日本FP協会作成

教育資金については、公的制度と合わせて学資保険の活用も有効です。学資保険は子どもの教育資金を準備するための貯蓄型保険で、高校・大学進学などお金がかかるタイミングに合わせて満期金やお祝い金を受け取ることができます。

契約者(親)に万が一のことがあった場合、それ以降の保険料の支払いが免除されつつも、学資金は予定通り受け取れる「保険料払込免除特約」が付帯していることが一般的なため、着実に教育資金を準備できる点が大きなメリットです。また、子どもの年齢が低いうちに加入するほど月々の保険料は安くなる傾向にあるため、出産前から検討を始めるとよいでしょう。

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