FPトレンドウォッチ
2025.11.04
自分らしく生きるための「ファイナンシャル・ウェルビーイング」
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公開:2025.11.04
            ファイナンシャル・ウェルビーイング(以下、FWB)とは、経済的な安定や幸福を感じ、人生を楽しむための選択ができる状態を示す言葉です。アメリカの金融消費者保護局(CFPB)が2015年に提唱した考え方であり、単なる収入や貯蓄の多さではなく、お金に振り回されず主体的にコントロールできる「感覚」や「満足度」まで含む包括的な概念を指します。
FWBは、主に4つの要素で構成されます。
| 現在 | 将来 | |
|---|---|---|
| 安心感 | 日々生活していくための必要な支出を無理なく支払えることや、予期せぬ出費に対応できるだけの貯蓄がある | 老後の生活資金や子どもの教育費など、長期的な目標に向けた計画があり、それに向けて着実に進んでいる | 
| 選択の自由 | 日々の生活において、経済的な余裕があり、人生を楽しむための幅広い選択肢がある | 将来のライフイベントに向けた準備が順調に進んでいる | 
出所:アメリカ金融消費者保護局(CFPB)「Financial well-being: The goal of financial education」を基に日本FP協会作成
FWBの向上には以下の4つが有効だとされています。
金融や経済の仕組み、家計管理、資産形成などお金に関する知識を身に付けることで、より現実的かつ具体的な将来設計につながります。昨今は学校指導要領の改訂により、学校教育でもFWB向上に資する知識を学べるようになっています。
まず「何にお金を使えば満足できるか」という価値観を明確にしましょう。次にライフイベントや必要な資金を洗い出すことで、漠然とした不安が減り日々の行動に集中できるようになります。
家計簿を付けて収支を把握することで、お金を主体的にコントロールしているという感覚が生まれます。貯蓄などの目標も達成しやすくなり、FWBの向上に大きく寄与するでしょう。
万が一のリスクには生命保険や損害保険で備え、効率的な資産形成のために投資信託などを活用しましょう。ローンも、将来を豊かにするための前向きな手段と捉え、計画的に活用することが大切です。
また、FWB向上にはFPなど専門家への相談も有効だとされています。特に資産を守ったり増やしたりするには、自身の視点だけでは客観的に判断するのは難しいこともありますので、第三者からのアドバイスも上手に取り入れていきましょう。
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