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公開:2025.08.06
家計簿を付けていると、とにかく食費の増加が実感できます。以前までは、品目によっては値上がりしていないものもありましたから、それらを選んで買うことができました。しかし、最近はすべての食材が値上がりして、もうどこにも逃げ場がないような状態です。それに、値上がり幅の小さい食材ばかりを選んで夕食をつくっていると、家族から「また同じものをつくっている!」と苦情が寄せられます。
消費支出全体に占める食料費(含む外食・給食費)は、平均的な世帯で約30%です。これは、エンゲル係数と呼ばれて、かつては「豊かになるほどエンゲル係数は下がっていく」と説明されていました。それは過去の常識となり、2015年頃から世界各国で、エンゲル係数の上昇がじわじわと始まりました。日本の上昇幅は、+5%ポイントほど上がって、G7諸国で一番の上昇幅です。
傾向として、所得水準の低い国ほどエンゲル係数が高くなり、日本のエンゲル係数は、東欧の国と同じくらいの水準です。そうした意味でG7諸国と比較すると豊かさが脅かされています。
データを調べると、食料品の物価指数の前年比の伸び率は、2022年4.5%、2023年8.1%、2024年4.3%、2025年(1~6月平均)7.2%です。生鮮食品など食材はもっと値上がり率が高くなっています。
食費の圧迫は、家計に我慢を強いています。
では、食料品の高騰で節約圧力が高まる品目は何でしょうか。データ分析をすると、その答えは「食料品」になります。例えば、パン、生鮮魚、生鮮肉は値上がり幅が大きいので、消費数量が手控えられています。調理食品も少し価格が高いので、買い控えることで節約のターゲットになっているようです。
食料品の品目以外では、洋服(特に婦人用)が減らされる傾向があるようです。娯楽・サービスの費用も減らされる傾向にあります。このように、食料品の高騰による食費の上り幅をどうにか調整するために、様々な品目を節約のターゲットにする傾向があるようです。
しかし、削減幅でみると、やはり食料品の品目の方がそれ以外の品目よりも節約圧力は大きかったです。
「いつも買っているパンが値上がりしたので、少し安いものにして、今月分の食費を調整しよう」と最近思ったことはないでしょうか?
そういった経験も踏まえてよく考えると、食料品の値上がりは、同じ食料品の節約を生むというのは、確かにそうだなと思わせます。
記事の内容は、取材先や執筆者等の見解を示したものであり、日本FP協会の意見・方針等を示すものではありません。
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