FPトレンドウォッチ
2025.10.01
本当にあった「リボ払い」の落とし穴

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公開:2025.07.28
春闘交渉では、2023年から3年連続で高い賃上げ率を記録しています。2025年度の連合集計(最終7月1日)では、定期昇給を含めた賃上げ率が5.25%、定期昇給を除いたベースアップ率が3.70%となっており、過去最高クラスの伸び率です。2025年1~6月の消費者物価指数(総合)の伸び率が平均3.62% ですから、賃金の伸びがおおむね物価上昇率に追いついてきていることがわかります。
しかし、賃上げの実感がないという人も多いかもしれません。
現在、職種が多様化して、成果主義で年俸制が適用されている人が多くいます。また、ボーナスは完全に業績連動になっている人もいます。管理職の人も、非組合員で賃上げの枠組みの外にいる場合があります。また、役職定年になって、給与は増えないという人もいます。そもそも、派遣社員・契約社員で、ベースアップと無縁の人も多くいます。このように、職種や資格が多様化している中で、春闘の影響力は落ちているのが実情です。
春闘の影響力が落ちている要因として、春闘による賃上げは大企業が中心だという点もあります。雇用者のなかで大企業に所属しているのは3割で、残りの7割は中小企業に所属していると言われています。この中小企業は、総じて賃上げのペースが鈍いのではないでしょうか。
データで調べると、資本金が1億円以上の企業のうち、29%のところでは賃金上昇が進んでいました。しかし、資本金1,000万円から1億円の企業では、賃上げ率は平均2%程度と相対的に低くなっています。統計に表れにくい資本金1,000万円未満の企業は、原材料コストの上昇分を価格転嫁しにくく、賃上げの余力はあまりないとされます。
今後、賃上げが広がりをみせるには、中小・零細企業まで価格転嫁が進むことが前提条件になるでしょう。そこには1~2年くらいは時間がかかるという見方もあります。
記事の内容は、取材先や執筆者等の見解を示したものであり、日本FP協会の意見・方針等を示すものではありません。
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