公開:2026.09.30

政策金利の利上げ傾向とドル円為替の見通し【トレンド+plus】

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引き上げに動いた日米欧の政策金利

2026年9月16日に、米国のFRB(連邦準備制度理事会)が約3年振りの利上げに踏み切りました。これにより、政策金利が3.75~4.00%とされました。この利上げの要因の一つとして、中東情勢の不安定化で原油価格が1バレル100ドル台に乗った状況を受け、インフレ・リスクが年末にかけて顕在化するという危険性を察知したからという見方があります。

政策金利に関するこの事情は日本も欧州も同じで、9月10日にECB(欧州中央銀行)が2.5%、そして9月18日には日銀が1.25%と、いずれも0.25%の引き上げを決定しました。日銀の植田和男総裁は、「政策の局面が変化した」と利上げ決定後の記者会見で説明しています。この言葉の意味については様々な見解があり、日銀は年内にもう1回の利上げを決めるかもしれないという意見もあるようです。いずれにしても、現状の動きからは、各国の主要中央銀行がイラン攻撃に伴うインフレ・リスクに対して、しばらくの間は金融引き締めで応じるという構えが見て取れます。

ドル円レートの傾向

さて、次の焦点はドル円レートの動向です。一般的には「日銀が利上げをすると円高になる」と言われてきました。しかし、今回の利上げでは円高になっていません。実際は利上げ直前の1ドル155円台(9月17日)から158円台(9月18日)へと円安に動いています(図表)。

図表■ドル円レートの推移

出所:日本FP協会作成

「マーケットは生き物」と度々言われるように、理屈通りに動かないことも時々起こりますが、今回の事象について後講釈をするならば、日銀が利上げを宣言しても、同時に米国のFRBが同じくらいの利上げをすると、政策金利差は変わらなくなるため、事前には日銀の利上げがもう少し積極的だろうと思った人々が円売りを一斉に仕掛けたという見方もできます。

円安に振れたことを受けてか、日本政府が18日の深夜から為替介入の準備であるレートチェック(金融機関への問い合わせ)を行って、円安を牽制しにかかりましたが、それでもなかなか円安是正はできていません。

円高への道は遠いのか? ~筆者の見解~

では、これから円高になるのでしょうか?

さまざまな考え方がありますが、「円高になるのは難しい」という意見もあり、いずれ1ドル160円くらいに戻るのではという考えの人もいるようです。以降はあくまで筆者の私見になりますが、円高が進まないと考える理由は、個人を含めた投資家の中に、「それほど極端な円高にはならない」との根強い予想があるからだと思います。。以前、1ドルが152円まで円高方向に振れたとき、多くの個人投資家が「ドルは安い、今が買いのチャンス!」とみて、外貨投資をしたときがありました。筆者の推察ではありますが、個人投資家の中には小幅の円安への戻りで利鞘を稼げればよいと考え、例えば1ドル160円くらいでドルを売りにかかる人もいるように感じます。
こうした相場観は、FX投資家ばかりではなく、海外の投機を仕掛けてくる投資家でも同じだと考えると、相場が膠着する要因の一つとしてある程度説明がつくのではないでしょうか。

「マーケットは生き物」ですので、もちろん予想はできませんが、この意見に立つとこれから2027年前半くらいまでのドル円レートは150円台前半から160円台前半くらいのレンジで上下動するような気がします。為替介入や、米国の高官発言によって一時的に円高に振れた後で、再び円安傾向に戻っていくような展開が繰り返されるのではないでしょうか。少なくとも今、相場が円高になるようなファンダメンタルズ要因はほぼゼロなのではないかと筆者は感じています。

記事の内容は、取材先や執筆者等の見解を示したものであり、日本FP協会の意見・方針等を示すものではありません。

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