公開:2026.05.20

為替介入とは?仕組みや過去の実例を紹介

為替介入の基礎知識

為替介入(正式名称:外国為替平衡操作)は、為替相場の過度な変動を抑え、安定化させるための政策手段です。日本では財務大臣の権限において実施され、日本銀行が財務大臣の代理人として実務を執行します。

円安・米ドル高が進行している場合は米ドル売り・円買い介入を実施し、市場に出回る米ドルの量を増やす一方で円の量を減らして、円の価値を相対的に高めます。

介入時は財務省所管の外国為替資金特別会計(外為特会)の資金が用いられます。ドル売り・円買い介入の場合、外為特会が保有するドル建て預金や米国債などの外貨準備が原資です。

実際の介入の前には、為替変動をけん制するために「口先介入」と呼ばれるコメントが財務大臣などから発せられたり、日本銀行が主要金融機関に為替相場の水準を照会する「レートチェック」が行われたりする場合があります。

過去に行われた為替介入

過去に実施された為替介入の中で、比較的時期が新しいものを振り返ってみましょう。

まず、東日本大震災後に過去最高値まで進んだ円高を阻止しようと、2011年に円売り介入が実施されました。特に規模が大きいのは10月31日から11月4日までの5日間で、9兆円超の規模での円売り・ドル買いが行われ、年間での介入総額は約14.3兆円にのぼります。その後、2012年頃から円高のトレンドは反転することになります。

そこから10年以上経った2022年9月から10月には約24年ぶりとなるドル売り・円買い介入が断続的に行われ、その際の介入総額は約9.1兆円に達しました。2024年には4月~5月と7月に総額15兆円を超える大規模な介入が行われています。

図 過去に行われた為替介入の例

実施時期介入内容規模(推計含む)
2011年円売り約14.3兆円(年間計)
2022年円買い約9.1兆円(年間計)
2024年4月~5月円買い約9.7兆円
2024年7月円買い約5.5兆円
出所:日本FP協会作成

2026年1月23日には、日本銀行の金融政策決定会合後にドル円相場が159円台まで円安へと進行した直後、急激な円高が発生しました。この際、日本当局によるレートチェック(介入の前段階に行う取引水準の問い合わせ)が実施されたと見られています。

為替介入は、円相場の安定につながる施策として期待できますが、一方でその効果が限定的だという指摘もあります。為替介入をしても、数週間から1カ月ほどで介入以前の水準に戻るケースもあります。為替相場は基本的に経済情勢や市場での需給などで変動するため、為替介入はあくまで非常手段であるということも知っておきましょう。

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