公開:2026.09.16

個別債券と債券ファンドはどう違う? 金利上昇期の選び方

最大の違いは「満期」の有無と価格変動の考え方

債券投資には、国や企業などが発行する個別債券を直接購入する方法と、複数の債券をパッケージにした債券ファンド(投資信託・ETF)を購入する方法の2つがあります。これらは仕組みやリスク、運用の手軽さにおいて大きな違いがあります。

個別債券には満期(償還)があり、発行体が破綻しない限り、満期時に額面金額が払い戻されます。そのため、保有期間中に金利変動による値動きがあっても、満期まで待てば基本的に元本割れしない点が特徴です。

一方、一般的な債券ファンドには満期がなく、複数の債券を入れ替えながら運用を続けるため、金利上昇によって債券価格が下落した場合、基準価額も下がります。しかし、短期的な下落を乗り越えると、長期的には高金利の新しい債券によって利回りの回復が期待できます。

図表 個別債券と債券ファンドの比較

個別債券債券ファンド(投資信託・ETF)
満期(償還)あり原則なし(一部の期間限定タイプのファンドを除く)
元本確保性発行体が破綻しない限り、満期時に額面金額が戻る売却時の基準価額によって元本割れのリスクがある
分散投資1銘柄ごとの投資1つのファンドで多数の債券に分散投資
最低投資額銘柄により1万円~100万円など、まとまった額が必要100円や1万円など、少額から可能
保有コスト原則なし(既発債では、購入時手数料は単価に含まれる)あり(信託報酬などが継続的に発生する)
流動性銘柄によって異なる営業日ごとに売却が可能
NISAの適用対象外成長投資枠で利用可能(対象ファンドのみ)
購入のしやすさ個人向け国債などを除き、個人投資家が購入する機会が限定的販売チャネルが多く購入しやすい
※2026年度税制改正により、債券を主たる投資対象とするファンドについてつみたて投資枠でも利用可能となる予定
出所:日本FP協会作成

コスト・分散・手軽さで選ぶ、使い分けの目安

長期の視点で債券投資を考える場合、金利上昇は個別債券、債券ファンドとも新規投資ではプラス要因といえます。そこで、それ以外の要素で使い分けを考えてみましょう。

個別債券は購入単位が数十万円以上になるケースが多く、複数銘柄への分散には多額の資金を要しますが、保有コストは基本的にかかりません。一方、債券ファンドは、100円程度からの少額投資や積立投資が可能で、1つのファンドで多数の債券に分散投資ができます。ただし、購入手数料がかかるファンドがある、保有期間中に信託報酬などのコストがかかり続けるといった面もあります。

よって、一般的にまとまった資金で安全性を重視したい場合は個別債券が、手軽に少額から分散投資を行いたい場合は債券ファンドが適していると考えられます。

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