著名人インタビュー
2025.07.18
【俳優/藤木直人さん】 「出会い」や「巡り合わせ」が新しいことに挑戦するきっかけに(第3回)

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公開:2025.07.01
更新:2025.09.30
さまざまなフィールドで活躍する方々に、自身を成長させた学びや人生における挑戦、夢や目標の実現について語っていただく本企画。俳優・ミュージシャンとして第一線を走り続ける藤木直人さんのインタビューを3回にわたってお届けします。2024年に2級FP技能検定に見事合格を果たした藤木さん。第1回は、忙しい合間を縫ってどのように学習を継続されたのか、またFP資格の勉強を始めて気づいたことなどをうかがいました。
——昨年1月に通信教育講座を運営する企業のCMで「2級FP技能検定」への挑戦を宣言されて、9月に見事合格されています。ファイナンシャル・プランナー(FP)については、それまでどのようなイメージをお持ちでしたか。
資格に挑戦するまでは、「FPはお金の専門家なんだろうな」といったざっくりとしたイメージしかありませんでした。金融業界などで働く方にとっては身近な資格なのかもしれませんが、僕自身は、「金融・経済」については日常から遠いテーマという印象でしたね。
ですから、6科目のテキストが届いたときは驚きました。ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継……学習するテーマが多岐に渡り、それぞれが人生設計に大きく関わってくることなので、「これは勉強するのが大変そうだ」と感じたことを覚えています。
——6科目の中で、苦心された科目や特に興味を惹かれた科目などはありましたか。
金融・経済について深く掘り下げて考える機会があまりなかったこともあって、全科目に新鮮な気持ちで取り組めました。例えば、これまで確定申告も含めて税金に関することはすべて税理士さんにお任せしてきたわけですけれども、「タックスプランニング」の分野を勉強するうちに「この控除って実は自分も使えるんじゃないか?」と、ハッと気づくことも。
公的年金についても「年金は2階建て。会社員の方は2階の部分に厚生年金が上乗せされるけど、自分のような職業だと1階の基礎年金部分だけだから、今の水準で給付される額はこれくらいなんだな」と理解することができました。年金の繰り上げ・繰り下げについて勉強したときは、「受け取り開始時期を遅らせたら受給額が増額されるというけれど、実際の損益分岐点は自分が長生きするかどうかにもよるよな」と老後を想像してみたり(笑)。
やっぱり「知らない」ことがお金や老後の不安につながりますよね。勉強すればするほど、若い世代にも「知らないとソンすることが世の中にはたくさんあるし、逆にこういう知識があれば将来の不安解消につながるんだよ」ということを伝えたくなりました。
——FP資格の勉強をする社会人は、タイムマネジメントに苦労されているようです。藤木さんはお忙しい中、どのように勉強時間を確保されていたのですか。
実は当初、5月に受検することを目指していたんですよ。でも、ちょうどそのタイミングで映像の仕事が数本重なり、夏に全国ライブハウスツアーをスタートすることも決まったので、ちょっと5月の受検は難しそうだなと思い、9月の受検に切り替えることにしました。ドラマのセリフを覚えたり、曲を作ったりする合間や、ツアーの移動などの「すき間時間」をとにかく活用して、コツコツ勉強を続けていきました。
勉強法は、テキストを読み、解説動画を見て、添削課題を解くという繰り返し。最初は5月に受けるつもりだったので、春ごろにはすでに5科目分のテキストを終了していて順調だったんです。「あと1冊で終わりだな」という段階で仕事がどんどん忙しくなって、7月ごろに勉強を本格的に再開してみたら、最初のほうに勉強した科目は忘れている部分がたくさんあった(笑)。そこから9月の試験に向けて添削課題や過去問をひたすら解き、間違ったところや忘れやすいポイントはノートに書き込んで覚えるようにしました。過去問は9回分くらい解きましたね。
——試験当日はどんな感じだったのでしょう。
試験日が近づくとラストスパートをかけるために、過去問を1〜2回分、毎日解いていたんですよ。試験の朝も早起きして取り組んでいたんです。電卓を使って最後の問題を解き終わり、「よし、これで思い残すことはない」と準備して意気揚々と向かったのですが……いざ試験会場に着いたら、カバンの中に電卓が入っていない!一瞬慌てましたが、「もう自分で手計算するしかない」と覚悟を決めていたら、電卓を忘れたことを知ったマネージャーがギリギリのタイミングで届けてくれたんです。あのときは本当に感謝の気持ちでいっぱいでしたね。おかげさまで無事、合格することができました。
俳優・ミュージシャン
藤木 直人さん(ふじき・なおひと)
1972年、千葉県出身。早稲田大学在学中、映画「花より男子」で1995年にデビュー。「ナースのお仕事」「ホタルのヒカリ」シリーズなど数多くの話題作に出演。舞台では蜷川幸雄氏演出の「海辺のカフカ」をはじめ、蜷川氏最後の演出作「尺には尺を」で主演を務める。ライブツアーなど音楽活動も精力的に行い、2024年には音楽デビュー25周年を迎えた。2014年よりTOKYO FM系列「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」のメインパーソナリティー、2025年4月からは「朝だ! 生です旅サラダ」の新MCも担当。主演を務めるフジテレビドラマ「最後の鑑定人」が7月9日より毎週水曜22時〜放送スタート。
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