CFP®試験1ワード解説
2025.12.01
市場価格調整(MVA)<リスクと保険>
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公開:2025.12.01
CFP®資格審査試験の過去問題に登場した重要ワードをピックアップして解説します。
今月は「リスクと保険」分野から、「市場価格調整(MVA)」を取り上げます。
市場価格調整(MVA:Market Value Adjustment)機能付き保険とは、保険解約時に市場金利に応じて解約返戻金等の額が変動する保険商品を言い、終身保険、養老保険、個人年金保険などが販売されています。
通常の定額保険では、予定利率によって契約時に解約返戻金額が決定しています。一方で、MVA機能付きの場合には、保険の解約に際して、保険会社は運用している債券を売却して解約払戻金に充当するため、解約時の市場金利によって、解約返戻金額が変動します。債券価格の変動という市場リスクを、契約者に転嫁する仕組みです。
金利上昇時には、債券価格が下落しますので、解約返戻金額は減少し、金利低下時には、債券価格が上昇しますので、解約返戻金額は増加します。
相続時の納税資金準備や、分割対策など死亡保険金の活用を目的に加入する場合には、死亡保険金は変動しないので問題ありませんが、資産運用の一環として解約返戻金を活用する場合には、今後の金利動向をしっかり見極める必要があります。
特に、今後の金利上昇が見込まれる場合には、中途解約時に想定よりも解約返戻金額が少なくなっていることもあり得ます。
変額保険、外貨建て保険、およびMVA機能付き保険は、運用リスクを契約者に転換するため、契約締結にあたっては特に慎重な対応が必要です。
保険業法第300条の2において、これらは「特定保険契約」と規定され、提案にあたっては、顧客属性などに則した適正な販売・勧誘の履行を確保することが定められています。
具体的には、顧客の知識、経験、財産の状況を把握し、特定保険契約を締結するうえで、問題がないことの確認が必要です。
解説:嶋田 雅嗣氏(CFP®認定者)
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