公開:2025.12.24

更新:2025.12.25

“時間・お金・成果”から考える 自分の価値最大化に必要なこと(中)

給与の原資を考える

給与の原資は、企業が顧客へのサービス提供によって得た「利益」です。経営者の視点では、従業員が給与に見合う利益を生んで、初めて人件費を回収できたということになります。

単に売り上げがよくても、その売り上げを生み出すのに必要な原価がかさんでいては、利益はなかなか上がりません。つまり、給与アップを望むには売上高から売上原価を差し引いた粗利のアップが不可欠だと言えます。

そこで押さえておきたいのが、「人時生産性」(にんじせいさんせい)です。これは従業員1人が労働時間1時間当たりでどれだけの粗利を稼いでいるかを図る指標であり、粗利益÷総労働時間で算出できます。人時生産性が高いほど、より効率的に稼いでいると言えます。

図 人時生産性の計算式

出所:日本FP協会作成

大切なのは「給料をもらう」という受け身の姿勢から、「自らの働きで会社の利益に貢献し、その対価として報酬を得る」という姿勢への転換です。この意識の変化が、自身の行動をより成果志向にし、結果として市場価値を高めることにもつながります。

時給・分給を意識する

また、自身の時給や分給を計算してみると、時間の使い方に対する考え方が、より具体的でシビアになるでしょう。月収30万円の会社員が1日8時間、月20日働くと仮定した場合、時給は1,875円、分給は約31円です。

この金額を見ると「大した金額ではない」と感じられるかもしれません。しかし、タバコ休憩や雑談時間など、直接的な売り上げにはつながらない時間にも時給や分給が発生していると考えると、見方が変わってくるはずです。

時給や分給の考え方を意識するようになると、仕事の取捨選択や分担などを進め、一つひとつの仕事に対してより集中して取り組めるようになるでしょう。

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