公開:2025.07.16

更新:2025.06.27

デジタル遺品対応の最新実務ガイド(上)

全容把握が難しいデジタル遺品

遺品整理で最近、何かと話題になっているのが「デジタル遺品」です。これは故人が生前使用していたパソコンやスマホなどに残されていたデータ、契約していた各種サービス、SNSアカウント、連絡先、個人のwebサイトやブログなどを指します。

デジタル遺品の内訳

オンラインデータ(端末外に保存されたデータ)

  • SNSアカウント
  • 故人のブログ、webサイト
  • ネット銀行・証券会社の口座
  • クラウドサービス(Googleドライブなど)に保存されたデータ
  • 各種webサービス、クラウドサービスのアカウント

オフラインデータ(端末内に保存されたデータ)

  • PC・スマホ内に保存された写真・動画
  • 文書ファイル(WordやExcelなど)
  • 閲覧履歴、ブックマーク
  • ダウンロードされた各種アプリケーション

近年はネット銀行の口座やFX、仮想通貨などの金融資産を保有する方も多く、これらは「デジタル遺産」と呼ばれます。電子マネーの残高や各種ポイント、マイレージなどもこのデジタル遺産に含まれる場合があります。

Webやクラウド上に残されたデータや遺産は、本人しか知らないIDやパスワードで管理されていることがほとんどです。これらが整理されないまま本人が亡くなった場合、遺族はそれらすべてを把握することすらままならないでしょう。

トラブル防止には事前対策が重要

もし相続の手続きを終えた後にデジタル遺産が見つかった場合、遺産分割協議のやり直しや修正申告などが必要になり、相続人の間でトラブルに発展しかねません。また、有料サービスが解約されずに課金が継続したり、FX取引でマイナスが発生して追加証拠金が請求されたりするケースもあります。

生前整理とまではいかなくとも、できれば信頼のおける家族や友人とデジタル遺品(デジタル遺産)の情報共有を進めておきましょう。PCやスマホのパスワード、SNSや有料サービスのログイン情報などをエンディングノートに記しておくのも一つの方法です。最近では本人が亡くなった後、遺族にPCやスマホのパスワードを通知してくれる有料サービスもありますので、紙で記録するのに抵抗がある場合は利用を検討するとよいでしょう。

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