FP・専門家に聞く
2026.09.25
【事業承継】ガイドライン改訂時にも注目された「従業員承継」とFPの役割(山田&パートナーズ 宇田川氏、金沢氏、西内氏)
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公開:2026.02.05
更新:2026.09.25
「独立・起業」の第3回は、独立をするうえで大切な「自分」という要素のうち、「スキル」「経験」について考えてみましょう。独立・起業に役立つ生成AI用プロンプト付きです。
FPビジネスのマネタイズ(収益化・ビジネス化)のポイントは、端的に言えば「スキル」です。
マネタイズをわかりやすく言い換えると、「お客様に価値を届け、対価を得ること」といえます。どれだけ知識があり、資格を有していても、説明がわかりにくい、話が聞き取りにくいといった状態では、情報はお客様に届きません。結果として、仕事にもつながりにくくなります。
FPビジネスの三大業務といえば「講師・相談・執筆」です。ここでは、それぞれをスキルの観点から見ていきましょう。
棚卸しの結果、具体的な目標値ができます。一方で、「今の状態で独立ができるのだろうか」と不安になる人もいるかと思います。そんなときは、第1回で述べた「覚悟」を思い出してみましょう。
1) 講師
講演やセミナーの講師に求められるのは、「言語化のスキル」と「説明のスキル」です。他者に情報や考えを伝える仕事である以上、言語化できるかどうかが成果を大きく左右します。
具体的に言語化とは何か。私は言語化を指導する機会が多くありますが、例えば「色」を言語化するワークを行います。「萌葱色(もえぎいろ)」を、色名を使わずに言葉だけで説明してもらうと、その難しさがよくわかります。ほかにも少し複雑な図形を見せて言葉だけで説明してもらうワークをすると、足りない言葉も明確になります。プロジェクターが使えない場面や、口頭だけで説明する機会も多いからこそ、言語化スキルは講師業に不可欠なのです。
2) 相談
相談で必要なスキルを言い換えると、「相談者の心の声を聴き、引き出すスキル」です。「聞く」ではなく「聴く」という漢字を使う点が重要です。
例えば「老後の年金について知りたい」という相談でも、何が不安なのかを丁寧に聴かないまま説明を始めてしまうケースは、経験の浅いFPに見られがちな傾向です。相談者は言語化の専門家ではありません。だからこそ、こちらが言語化し、「つまり、こういうことですね」と確認する必要があります。この力も、言語化スキルの一部といえるでしょう。
3) 執筆
執筆とは、言葉を紡ぐスキルだと私は考えています。単に制度改正の内容を書くのではなく、読者の立場を想像しながら、「ここは噛み砕いて」「ここは簡潔に」と工夫し、思いや背景を込めて丁寧に伝えていく作業です。その積み重ねが、「紡ぐ」という感覚につながります。
今回の付録のプロンプトは、この執筆スキルに関連したものです。3人家族が住宅を購入するまでのストーリーを描いた小説を書いてもらいます。プロンプトのパラメーターを変更することで、その内容を変えるなどしてお試しください。異なる生成AIを使うと、物語も変わってきます。執筆の構成のヒントを得たり、自分の文章と比較したりすることで、スキルアップにもつながります。
AIは効率化のために使うべきツールであり、手間を減らすためのツールです。効率化によって生まれた時間を、自己成長やスキルアップに充てることにこそ意味があります。独立後はすべてを一人でこなす必要があるからこそ、AIを活用するスキルも欠かせません。
スキルにはレベル感があることも知っておいてください。知識のレベル感は比較的イメージしやすい一方で、スキルのレベル感は捉えにくいものです。私は「スキルは、自分のスキルレベルから見える範囲でしか理解できない」と考えています。これを「視座」とでも言いましょうか。
一流アスリートのすごさが、実際にその種目を経験してみないとわからないようなことと同じです。例えば、新入社員の視座、中間管理職の視座、経営者からの視座を比べてみると、見えている世界が違うのが想像できるでしょう。この「見えている世界」を「スキル」に置き換えてみると、見えているスキルはレベルによってやはりまったく違います。
知識として理解していても、実際にできるとは限りません。テニスのルールを完璧に知っていても、試合で勝てるわけではないのと同じです。独立したFPは「プレーヤー」として活躍する立場です。「頭でわかるけど、やったらできない」というギャップを自覚することが重要です。
例えば「プレゼンのやり方」というテーマのスキル研修を実施すると、とても多くの受講者が集まりますが、みなさん知識を覚えようとするだけで帰ってしまいます。どうしてもハウツー部分の知識に目が行ってしまうのですが、そこではなく、プレゼンの資料を使って人前で話すスキルに注目してほしいと思います。
FPの仕事は、経験を積むほど成長を実感できる仕事です。仕事をこなせばこなすほど、知識も増え、実務の経験値も上がり、自分のスキルが上がっていく。やりがいが多く、こんなに面白い仕事はないと思います。一方で、スタートが切りにくいのも事実です。講師、相談、執筆……どれもスキルが不足していると取り組みにくいので、スタートが切りにくい。そのため知識ばかりを追い、資格取得に走ってしまう人もいます。しかし、繰り返しますが独立の要であり、マネタイズの要は「スキル」です。
スキルは、見える範囲が限られているからこそ、自分で走ってみるしかありません。実際に走ってみて初めて見える景色があり、改善点も見えてきます。これらは経験しなければ得られないものです。
最後に、第2回で取り上げた「棚卸しシート」を改めて見直してみてください。これまでの経験、身に付けたスキル、そしてこれから積むべき経験が、より明確になるはずです。
執筆時の参考となる「住宅購入」小説を書くプロンプト
生成AI用プロンプト(ご自身の状況や希望など該当する部分を書き換えて、適宜ご活用ください)
# 命令書 あなたは「CFP®資格を持つプロの小説家」です。 以下の制約条件および出力形式をもとに、連載小説を執筆してください。 # 制約条件 ## 執筆上のルール - 構成:全3章構成(各章 約1,000文字、合計3,000文字目安) - 文体・視点:ですます調、三人称視点 ## ストーリー - 家計・介護・住宅購入というシビアな現実を、読者の感情に深く刺さる「物語」として描く - CFP®認定者との出会いを通じ、「唯一の正解」ではなく「自分たちにとっての最適解」を見出していく連載小説を執筆する - 登場人物は、40代の共働き夫婦と5歳の子ども、別居している両親 - プロット構成は下記のとおりとする 1. 第1章:【足音】親の介護とアパートの更新 2. 第2章:【不協和音】家族会議という名の迷路 3. 第3章:【羅針盤】CFP®認定者の助言、そして決断へ # 出力形式 - まずは「タイトル」と「第1章」のみを執筆すること - 章タイトルを明記すること - 第1章の末尾で一度止まり、指示を待つこと - その際、「次の章を作成するには「次を」と入力してください。」と表示すること
CFP®認定者、リンク・イノベーション 代表
中野 克彦 氏
財務・税務コンピューターメーカーに入社し会計を学んだ後、経営コンサルティング会社を経て、独立後リンク・イノベーションを設立。中小企業のコンサルティング、FPとして講師、相談、執筆を行う。認定心理士、行動経済学会会員。著書に『コンサルティング力がアップするFP資格を活かす150の話題』など。
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