公開:2025.10.30

更新:2025.10.31

ひとり親世帯が知っておきたい「お金の基本」(下)

「返済不要」の学費支援制度

本シリーズの最終章となる今回は、負担が重くなりがちな教育費に関する支援制度をご紹介します。

高等学校等就学支援金制度(高校無償化)

高校の授業料を国が支援してくれる制度です。年収590万円未満であれば、国公立・私立を問わず基本的に高校の授業料は無料になるため、進路選択の幅が大きく広がるでしょう。

高等教育の修学支援新制度(大学無償化)

大学・短期大学・高等専門学校、専門学校への進学を支援する制度で、「授業料・入学金の減免」と「給付型奨学金」の2本柱で成り立っています。

図 授業料等減免の上限額(年額)と給付型支給金の支給額(年額)のイメージ

出所:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」を基に日本FP協会加工

例えば年収200万円のひとり親世帯で子どもが私立大学に進学(自宅外通学)する場合、最大で入学金26万円、授業料70万円が免除され、それに加えて年額91万円の奨学金給付を受けられます。

教育資金の借入時に活用できる制度

進学時には授業料以外にも塾代や受験料、一人暮らしの生活費などさまざまな費用がかかります。そんな時に頼りになるのが、一般的な金融機関よりも有利な条件で借り入れができる公的な貸付制度です。

母子父子寡婦福祉資金貸付制度

ひとり親家庭などの経済的自立を支援するために、各自治体が実施している貸付制度です。
「就学支度資金」「修学資金」など、無利子でお金を借りられます。

国の教育ローンの金利優遇

ひとり親世帯は日本政策金融公庫が取り扱う「教育一般貸付(国の教育ローン)」で金利の優遇を受けることが可能です。通常金利から年0.4%が引き下げられ、保証料も通常の2分の1に軽減されます。

借り入れには所定の審査があるため、利用を検討する場合は各自治体の福祉担当窓口などへ早めに相談しましょう。

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