FPトレンドウォッチ
2026.09.02
事実婚と遺族年金、知っておきたい相続権との違い
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公開:2026.09.02
近年増えている事実婚においては、「相続」と「遺族年金」で扱いが異なります。婚姻届を出していない事実婚のパートナーは、民法上、相続における配偶者に含まれません。そのため一方が亡くなっても、他方は法定相続人になれず、遺留分もありません。
しかし、日本の年金制度(国民年金法および厚生年金保険法)における配偶者には、婚姻届を提出していなくても事実上婚姻関係と同様の事情にある者(事実婚・内縁関係の者)も含まれると定義されています。そのため、事実婚のパートナーであっても、一定の要件を満たしていれば法律婚の配偶者と同様に遺族年金(遺族基礎年金や遺族厚生年金など)の請求・受給が可能です。
事実婚の配偶者が遺族年金を受給するには、まず事実婚関係と認定されなければなりません。そのうえで、生計維持関係の要件を満たす必要があります。
| 事実婚関係(内縁関係)の認定 | ・夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意がある ・実際に夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在する ※近親婚(民法734・735・736条に反する関係)は原則対象外 |
|---|---|
| 生計維持関係〈生計同一〉 | ・住民票上、同一世帯、または住所が同一 ・別居でも、生活費の援助や定期的な音信・訪問が認められる |
| 生計維持関係〈収入〉 | ・遺族側の前年(前々年)の収入が年額850万円未満、または所得が年額655.5万円未満 ・死亡時に基準以上でも、退職や廃業等でおおむね5年以内に下回る見込みなら該当 |
遺族年金等の受給において、戸籍上の配偶者がいる者と内縁関係にある「重婚的内縁関係」の場合、届出による法律上の婚姻関係が優先されるのが原則です。しかし、戸籍上の婚姻関係が「その実体を全く失ったものとなっているとき」に限り、特例として内縁関係にある者が事実婚の配偶者として認定されます。
具体的には、離婚の合意に基づいて共同生活をやめているものの戸籍上の離婚の届出をしていない、または一方の悪意の遺棄によって夫婦としての共同生活が行われない状態がおおむね10年以上継続し、当事者双方の生活関係がそのまま固定している、といった状態が当てはまります。実体を失ったと言えるためには、住居が別で、経済的な依存関係が続いておらず、音信や訪問もないという事情が揃わなければなりません。
これらの事実関係を確認するため、日本年金機構等は戸籍上の配偶者に対して、婚姻関係の実態について慎重な調査を行います。
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