公開:2026.08.26

国が動いた「国保逃れ」、発覚時には重いペナルティーも

「名ばかり役員」と「国保逃れ」の関係性

会社員や公務員は勤務先を通じて被用者保険に加入し、保険料は会社と折半で負担します。一方、個人事業主は国民健康保険に加入し、前年の所得や世帯の加入者数などをもとに算出した保険料を支払わなければなりません。

また、被用者保険では配偶者や子どもなど一定の要件を満たす家族を扶養に入れれば追加の保険料なしで保障を受けられますが、国保にはこの仕組みがないため、高所得者や家族の多い世帯ほど負担が重くなりがちです。

「国保逃れ」とは、このような格差に目をつけ、個人事業主が形式的に法人の役員に就任し、低い役員報酬をもとに被用者保険に加入することで保険料の負担を軽減するスキームを指します。

法人の役員に就任した個人事業主は、月数万円程度の報酬を受け取りつつ、それを上回る「会費」を法人に支払います(持ち出しが発生)。しかし、社会保険料は低い報酬をもとに算出されるため、会費を含めた総負担が国保の保険料を下回るよう設計されているのです。

図 「国保逃れ」とされる一例

出所:日本FP協会作成

社会保険は加入者全体で支え合う制度であり、本来の保険料を払わない人が増えれば、適正に負担している人にしわ寄せが及ぶことになるため、問題視されています。

発覚時には社保資格喪失、遡及や返還も発生

国保逃れが発覚した場合、社会保険の資格を遡って喪失させる措置がとられます。さらに、本来加入すべきだった国民健康保険の保険料が最大2年間遡って請求されるほか、資格取消期間中に受けた医療費について保険給付分(7割)の返還を求められる可能性があります。

つまり、目先の保険料を節約したつもりが、最終的には節約した以上の金額を支払うリスクを抱えることになるのです。

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