公開:2026.09.08

プロも陥りやすい住宅ローン控除の落とし穴

居住用財産3,000万円特例と住宅ローン控除は併用不可

住宅ローン控除には、時にプロでも陥る落とし穴が存在します。その1つが「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。

これは、自宅を売って得た譲渡益から最大3,000万円を控除できる特例のことで、売却益への課税を大きく抑えられます。

この特例と住宅ローン控除は、原則として併用できません。住宅ローン控除の適用を受けるには「居住した年とその前2年、翌年以後3年以内という計6年間に3,000万円特別控除を受けていない」という要件があるためです。旧居を売却し、新居となるマイホームを購入する場合には、特に注意が必要です。

先に新居について住宅ローン控除を受け、居住開始の年から3年以内に旧宅を売る場合は、住宅ローン控除を取り消す修正申告を行うことで3,000万円特別控除へ切り替えられます。しかし、旧宅を先に売り3,000万円特別控除を適用してしまうと、その譲渡申告は撤回できず、新居について住宅ローン控除を適用することはできません。よって住宅を買い替える場合は、事前にどちらを適用するかのシミュレーションが不可欠です。

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる

一方、ふるさと納税と住宅ローン控除は、原則として併用可能です。なお、給与所得者は住宅ローン控除を受ける初年度と2年目以降で、ふるさと納税の控除を受けるための手続きが変わるケースが多いので気を付けましょう。

図 ふるさと納税の控除を受けるための手続き(確定申告とワンストップ特例の違い)

出所:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)>No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」

給与所得者であっても、住宅ローン控除を受ける初年度は確定申告をしなければなりません。したがって、住宅ローン控除を受ける初年度にふるさと納税を行う場合は、寄附金控除と住宅ローン控除の両方について確定申告を行う必要があります。

一方、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。そのため、給与所得者などで確定申告の必要がなく、ふるさと納税先が5団体以下のケースでは、ふるさと納税のワンストップ特例制度が利用できます。ワンストップ特例で控除を申請すると、ふるさと納税による所得税の減額(寄附金控除)分も含めて翌年の住民税からまとめて差し引かれます。

しかし、寄付者が確定申告を行う場合や5団体を超える寄付を行った場合には、ワンストップ特例は適用されませんので、寄附金控除についても、住宅ローン控除についても確定申告が必要です。

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