FP知識3分クイズ
2025.07.01
【高齢者の住まい選び】自身のライフプランにあった老後の住まいはどれ?

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公開:2025.07.01
更新:2025.06.30
老後の住まい選びはライフプランにおける重要な要素です。「どこに住むか」は、人生の後半をどう過ごすのか、その人自身の価値観やライフプランそのものに深く関わってきます。家族と将来の自分のためにも、多様化する高齢者向け住宅の特徴を把握しておくことが大切です。
選択肢となる高齢者向け住宅には「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」「有料老人ホーム」「ケアハウス(軽費老人ホーム)」などがあり、入居を希望する高齢者と家族にとっていずれを選ぶのか、迷いどころです。
グラフの「高齢者向け住宅数の推移」において、注目すべきは2012年以降の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の急増です。2012年の953施設から2022年には8,130施設へと約8.5倍に拡大しています。背景には高齢者の自立支援や多様なサービス提供という政策的な後押しがあります。
一方、「有料老人ホーム」も、2010年の5,232施設から2022年には15,928施設へと約3倍に増加しており、介護ニーズの高い高齢者向けの施設として定着していることがうかがえます。
対照的に「ケアハウス(軽費老人ホーム)」は2010年の1,932施設から2022年の2,330施設へ12年間で微増にとどまります。これは低所得者向けの施設としての位置づけや、自治体の財政状況による影響が考えられます。これらの数字は、高齢者の多様なニーズに応じた「選択肢の幅」が広がっていることを示しています。
比較的元気な高齢者が、安否確認や生活相談のサービスを受けながら、自立した生活を送りやすい住まいはどれでしょう?
A. ①サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
高齢者が自立して自分の意志で行動し、アクティブな日常の継続を目指すとき、万一の備えとして安否確認や、生活相談といったサポートも考慮したいところです。そのようなニーズには、比較的自由度の高い生活を維持しつつ、必要なサービスを選択できる「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」が適しています。
「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)に基づき、都道府県知事の登録を受けた賃貸住宅または利用権方式の住まいです。主に自立している高齢者向けに設計された賃貸住宅で、見守りや生活相談などのサービスが付いています。介護が必要になる前段階の住まいとして選ばれることが多く、自由度の高い生活が可能です。バリアフリー構造が必須で、安否確認サービスと生活相談サービスの提供が義務付けられています。入居できるのは原則として60歳以上の高齢者、または要介護・要支援認定を受けている60歳未満の方です。自立した生活が可能な方から、軽度の介護が必要な方まで幅広く受け入れていますが、施設によって受け入れ基準は異なります。重度の介護が必要になった場合、住み替えが必要になることもあります。
「有料老人ホーム」は、食事・入浴・排せつなどの介護サービスや生活支援サービスを一体的に提供する施設です。老人福祉法に基づき、高齢者を入居させ、入浴、排せつ、もしくは食事の提供、介護、洗濯、掃除などの家事、または健康管理のいずれかのサービス(複数も可)を提供します。介護付き、住宅型、健康型と種類も多様化しており、介護ニーズの高い方から自立した生活を送りたい方まで幅広く対応しています。「介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3つのタイプがあります。
「ケアハウス」は、老人福祉法に定められた軽費老人ホームの一種で、地方自治体や社会福祉法人などによって運営されています。所得が低い高齢者でも利用しやすいように、費用負担が比較的軽いのが特徴です。主に「自立型(一般型)」と「介護型(特定施設入居者生活介護の指定を受けたケアハウス)」があります。自立した生活が基本ですが、食事サービスや相談支援などを受けることができます。低所得の高齢者にとって貴重な選択肢となっています。
各施設の違いを前もって確認しておき、ライフプランの終盤に向けてどのような選択をするべきかを検討しておくことが、高齢者とその家族にとって重要なポイントといえそうです。
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