FPトレンドウォッチ
2025.11.14
他人事ではない「介護離職」……その前に活用したい支援制度
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公開:2025.09.29
本シリーズの最終章となる今回は、40代の子育て世代が直面するお金の悩みと、その具体的な解決策を解説します。
40代は子どもの教育費や住宅ローンの返済などが重なり、支出がピークを迎える傾向が強いことに加え、老後資金の準備も視野に入り始める時期です。しかし、支出が多く思うように貯蓄ができない世帯も少なくありません。
また、親の介護問題が現実味を帯びてくるのもこの年代です。介護が必要になった場合、仕事と両立するのは難しく、介護サービスの利用などで経済的な負担は大きくなる傾向があります。生命保険文化センターの「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護にかかる費用は住宅改修などの一時費用が平均で47万円、月々の費用が平均9万円です。介護期間は平均55.0カ月に及ぶため、総額では約542万円かかる計算になります。
子育てや介護といったライフイベントの出費に備えるため、まずは家計のキャッシュフローを見直しましょう。また、必要な場合は副業を検討したり、パートナーの働き方を見直したりして、世帯収入を増やす工夫も大切です。
余剰資金ができたら、iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用して、効率的に老後資産を準備しましょう。iDeCoは掛け金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税になるなど、節税メリットを享受しながら老後資金を準備できる制度です。
また、介護問題に対しては、まずは介護スタイルや費用負担について、家族で話し合っておくことが重要です。その上で、介護費用の負担軽減につながる以下の公的制度についても知っておくと安心でしょう。
| 制度名 | 概要 |
|---|---|
| 公的介護保険制度 | 要介護・要支援認定を受けた場合に、原則1〜3割負担で介護サービスを利用できる制度 |
| 高額介護サービス費制度 | 介護サービスの自己負担額が上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度 |
| 高額介護合算療養費制度 | 1年間の医療保険と介護保険の自己負担額の合計が上限を超えた場合に超過分が払い戻される制度 |
| 特定入所者介護サービス費(介護保険施設等における食費・居住費の軽減制度) | 所得が一定以下の方が介護保険施設などを利用する際の食費・居住費の負担を軽減する制度 |
実際に介護が必要になった際は家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターなどの専門機関に相談しましょう。経済的な悩みも含め、さまざまなサポートを受けることができます。
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