公開:2026.04.01

賃貸住宅(賃貸用マンション)の修繕費<不動産運用設計>

CFP®資格審査試験の過去問題に登場した重要ワードをピックアップして解説します。
今月は「不動産運用設計」分野から、「賃貸住宅(賃貸用マンション)の修繕費」を取り上げます。

賃貸住宅(賃貸用マンション)の修繕費

賃貸用マンションについては、分譲マンションの長期積立金のように、長期修繕計画に基づいた事前積立による資金準備がなされていないことが多い。これは賃貸物件所有者(家主)に「計画修繕」・「事前積立準備」という概念があまり浸透していないことに起因する。

実際には「壊れたから直す」といったケースが多く、建物の老朽化を加速させないためには、適切な時期に修繕を行う「計画修繕」が重要となる。

国土交通省は、「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」を発行し、「計画修繕」を促しており、修繕の時期と概算費用等も明示している(図表参照)。なお、「賃貸住宅管理業者向け計画修繕ガイドブック」において、計画修繕を「計画的・予防的に修繕を行うこと」と定義している。修繕の実施時期を予定しておくことで、必要資金を事前に準備することが可能となる。また、破損が生じる前に修繕を実施することで、余計な費用負担を避けることにつながるとしている。

FPとしても、「将来予測に基づく資金計画」の重要性を強調したい。つまり、事前に修繕内容を把握することによる必要資金の事前準備・確保の提案を心掛けたい。

図表■RC造10戸(1K)の修繕時期・費用のイメージ

築年数修繕内容1戸あたり概算費用(棟あたり)
5~10年目ベランダ・階段・廊下(塗装)
室内設備(修理)
排水管(高圧洗浄等)
約7万円(約70万円)
11~15年目屋根・外壁(塗装)
ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)
給湯器等(修理・交換)
排水管(高圧洗浄等)
約46万円(約460万円)
16~20年目ベランダ・階段・廊下(塗装)
室内設備(修理)
給排水管(高圧洗浄等・交換)
外構等(修繕)
約18万円(約180万円)
21~25年目屋根・外壁(塗装・葺替)
ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)
浴室設備等(修理・交換)
排水管(高圧洗浄)
約90万円(約900万円)
26~30年目ベランダ・階段・廊下(塗装)
室内設備(修理)
給排水管(高圧洗浄等・交換)
外構等(修繕)
約18万円(約180万円)
30年間の合計
(修繕は30年目以降も必要)
約177万円(約1,770万円)
出所:国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」を基に海宝 賢一郎氏作成

解説:海宝 賢一郎氏(CFP®認定者)

本記事は執筆時点の情報に基づいており、最新の情報と異なる場合があります。

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