FPトレンドウォッチ
2025.09.29
ライフステージ別「お金の不安」解消策(下)

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公開:2025.08.12
「リスキリング」とは、新しい職種や業務に必要となるスキルや知識を再習得すること。リスキリングは転職やセカンドキャリアにも有利になる一方、費用面からためらっている人も少なくないようです。
政府は「人への投資」を重視する方針のもと、リスキリングを支援する制度を設けています。多くは企業向けの補助金・助成金制度が中心ですが、中には個人が使える支援制度も用意されています。
個人向けの支援制度としては、まず厚生労働省の「教育訓練給付金」が挙げられます。働く人たちのスキルアップ・キャリアアップを支援する制度で、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練の修了者に対し、費用の一部が支給されます。対象となる教育訓練は、そのレベルなどに応じて3種類があり、それぞれ給付率が異なります(図表)。オンラインで受講できる講座や夜間・土日の講座もあり、働きながら受講できるようになっています。
給付率 | 対象講座 | |
---|---|---|
専門実践教育訓練 | 最大で受講費用の80% (年間上限64万円) | ・業務独占資格などの取得を目的とする講座 (介護福祉士、看護師、美容師など) ・デジタル関係の講座 (第四次産業革命スキル習得講座など) ・大学院、大学、短期大学、高等専門学校の課程 (法科大学院、MBAなど) ・専門学校の課程 (職業実践専門課程など) |
特定一般教育訓練 | 最大で受講費用の50% (上限25万円) | ・業務独占資格などの取得を目的とする講座 (介護支援専門員実務研修、大型自動車第一種・第二種免許など) ・デジタル関係の講座 ・大学等、専門学校の課程 |
一般教育訓練 | 受講費用の20% (上限10万円) | ・資格の取得を目的とする講座 (介護職員初任者研修、税理士、Webクリエイター、TOEIC、簿記検定など) ・大学院などの課程 |
厚生労働省は「キャリア形成・リスキリング推進事業」も行っています。全国47カ所にあるキャリア形成・リスキリング支援センターおよび全国のハローワークに設置しているキャリア形成・リスキリング相談コーナーでは専門家によるキャリアコンサルティングや、専門実践教育訓練給付ならびに特定一般教育訓練給付の受給に際して必要となる訓練前キャリアコンサルティングを無料で提供しています。キャリアの方向性を明確化したい人や、子育てと仕事の両立など働き方のヒントがほしい人などにお勧めです。
また、ひとり親世帯の教育訓練を支援する制度や、各自治体独自の資格取得支援制度など、行政による多様な支援制度が用意されています。費用面で学びの機会をあきらめてしまう前に、何か利用できそうな制度がないか調べてみるのはいかがでしょうか。
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