公開:2026.08.21

産後の働き方で家計への影響はどう変わる?

正社員で働き続けた場合、離職後復帰しない場合の所得差

女性が出産後にどのような働き方を選ぶかは、世帯年収を大きく左右します。「令和7年版 厚生労働白書」の試算によると、女性が出産後も正社員として働き続けた場合と、出産を機に離職して再就職しなかった場合とでは、世帯の可処分所得額に1.67億円もの差が出ることが分かりました。

とはいえ、産後の働き方は多種多様です。正社員ではなくフルタイムの非正規社員として就労を継続する人もいれば、離職した後、配偶者の扶養の範囲内で働く人もいます。また、正社員として就労を継続したい女性でも、育児と両立しにくい環境下では、離職や非正規雇用を選ばざるを得ないのも現実です。

図 女性の出産後の働き方別・世帯の生涯可処分所得(試算結果)

出所:厚生労働省「令和7年版 厚生労働白書」

「年収の壁」をどう考えるか

働く時間を増やすことをためらわせる要因の一つが、いわゆる「年収の壁」です。現行制度では、一部の従業員を除き「130万円の壁」を超えると社会保険料の自己負担が発生し、「178万円の壁」を越えると所得税がかかるようになります。

従来よりも年金や所得税のかからない範囲が広がってはいるものの、この「壁」が、働く時間を増やすほど手取りが減る「働き損」の懸念を生み、あえて非正規雇用で就業時間を限定して働くという選択につながっていると見られます。

しかし、この「壁」を超えないことだけにとらわれていると、中長期的なキャリア形成の機会を失うだけでなく、将来の厚生年金受給額を大きく減らすリスクも負うことになります。

産後の女性が働くためには、配偶者の子育て参加も不可欠です。生涯所得という「長期的な視点」も踏まえて、産後の働き方を検討していくのがよいでしょう。

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