公開:2026.07.09

不動産取引の新たな選択肢 「不動産エージェント」とは?

「顧客の味方」として生まれた不動産エージェント

不動産エージェントとは、売主または買主のどちらか一方の立場に寄り添い、物件探しから価格交渉、契約までをサポートする専門家のことです。日本で注目され始めた背景には、従来の不動産仲介業が抱える構造的な課題があります。

日本の不動産取引では、1つの不動産会社が売主と買主の双方を仲介する「両手仲介」が広く行われてきました。この場合、売主と買主のそれぞれから仲介手数料を受領することができるため、一部では自社で買主を見つけようとして、他業者への情報公開が十分に行われない、いわゆる「囲い込み」が問題視されるケースもありました。

図 不動産仲介会社の「囲い込み」とは

出所:日本FP協会作成

こうした商慣習へのアンチテーゼとして登場したのが、一方の依頼者の利益を追求する不動産エージェントです。

従来の不動産仲介との違い

不動産エージェントは、不動産価格評価の専門家である不動産鑑定士のような中立的な立場ではなく、依頼者の利益を明確に優先する点が特徴です。売主側のエージェントであれば、より高く有利な条件で売却できるよう交渉し、買主側のエージェントであれば、物件のデメリットも率直に伝えた上で購入判断をサポートします。「そもそも今買うべきか」「本当に売るべきか」という前提から相談できるケースもあり、従来よりも依頼者視点を重視した提案が期待できます。

こうした不動産エージェントの活躍を後押ししているのが、2025年1月施行の宅地建物取引業法施行規則の改正です。この改正により、専属専任媒介契約または専任媒介契約を締結した物件について、指定流通機構・REINS(レインズ:Real Estate Information Network System)への取引状況の登録ルールが強化されました。囲い込みが規制の対象となったことで、不動産エージェントの活躍の場が広がることが期待されています。

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