公開:2026.03.26

混乱の中東情勢、揺れる市場への対処法【トレンド+plus】

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揺れる中東情勢と日本への影響

中東情勢の悪化で、久々に株価下落局面がやってきています。

米国とイスラエルによるイラン攻撃は、2026年2月28日に始まりました。
その前週に日経平均株価は終値58,850.27円をつけました(日中の高値59,332.43円)。当時、市場関係者からは「もうすぐ株価6万円突破」という勇ましい声が聞かれました。

しかし、イラン攻撃に伴う異変で、日経平均株価は5万円に近づくまで下落しています(図表)。

図表■日経平均株価の推移

出所:日本FP協会作成

この攻撃に伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖は、原油供給の途絶を心配させます。
ホルムズ海峡から日本までは約3週間を要しますから、3月中旬頃から原油の供給が大幅に減少する状況が起きています。

日本は備蓄原油(政府発表では当初254日分)の放出によって、単純計算すると最大8カ月くらいは凌げますが、イラン攻撃が長期化すると、原油市況が高騰して企業収益が激減するリスクがあります。3月下旬現在、すでに石油製品の関連産業では値上げ要請が行われています。5月の年度決算のときには、上場企業の2026年度の業績予想がこの原油高でかなり悪化することが警戒されます。

不透明な状況下での投資の鉄則

では、今、株式投資をしたいと考える個人投資家はどう対処すればよいのでしょうか。
筆者は、すぐには動かずに底値を見極めることが大切だと考えます。

ごく最近、投資歴50年以上の個人投資家に話を聞くと、その人はイラン攻撃の直後に株価が下がったときに手元資金で何回かに分けてインデックス・ファンドを買いましたが、手元資金が尽きた後に株価下落が続いて、含み損を負っていると話していました。半世紀の投資歴があるベテランでもそのような状況なので、投資には厳しい場面だと思います。株価下落局面では、買い急ぎはそうした結果を招きやすいリスクがあります。

一方、過去の日経平均株価の長期間の値動きを確認すると、株価急落が劇的に起こった直後に緩やかなリバウンドが訪れています。つまり、投資をするのならば、大底を見極めてから投資をしていく技術が肝心要になります。

ここでは、いくつかの鉄則があります。もしも、自分の保有株式の取得価格(簿価)を引き下げたいと考えるのならば、一回だけの大型投資は避けるべきです。投資資金は大きくない金額に数回に分割して、時間分散に徹するべきでしょう。

次に、大きく下がったときに「今がチャンス」とは考えないことです。市場(マーケット)というところは自分がチャンスと思うときは、参加者の誰もが同じことを同時に思っています。これが市場心理の本質です。それを十分に頭に入れましょう。

相場が荒れたときには、欲望と絶望が交互に襲ってくるものです。
株価が大きく下落して「もうダメだ、損切りするしかない」と青ざめたときは、すべての市場参加者が恐怖に慄くときです。後から振り返ってみると、そこは株価の底値であるケースが多くあったように思えます。しかし、底値で買える人など誰も居ないというのが鉄則の2番目です。

株価の大底が到来して、移動平均の株価が明確に上向いてから時間分散を始めるのでも遅くはありません。時間分散していますので、二番底を付けても過剰に恐れる必要はありません。後から自分の取得価格の平均値をみれば、それほど高値で買っていないことがわかります。買い遅れを心配しなくても、簿価は結構低くなっています。セカンド・ベスト戦略が選択可能な方法だと思います。
株価の下落局面である今が投資のチャンスと思っている人には、以上のような注意喚起をしておきます。

最後にもう1つ付け加えると、株式投資をしていて、保有残高がある人(ポジションを持つ人)は、こうした株価下落局面をいくつか経験することで投資のマインドが鍛えられます。ポジションを持たない人には決してわからない市場のマインドの変化を「自分ごと」として捉えられるからです。

不透明な情勢だからこそ、日々の値動きに振り回されないマインドが重要です。

記事の内容は、取材先や執筆者等の見解を示したものであり、日本FP協会の意見・方針等を示すものではありません。

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