FPトレンドウォッチ
2026.03.24
資産の「形成」から「活用」へ 老後資金の上手な使い方とは
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公開:2026.03.24
定年退職後は勤労収入がなくなり、多くの場合は年金収入のみとなります。公的年金だけでは生活費をカバーできない場合、現役時代に築いてきた金融資産を計画的に「使う」工夫が重要です。預貯金をそのまま取り崩すだけでは、インフレ(物価上昇)や長寿化の影響をダイレクトに受け、想定より早く資産が減ってしまう可能性があります。
そこで検討したいのが、新NISA等の非課税制度も活用した「資産を運用しながら取り崩す」という考え方です。投資信託などで運用を継続しながら、定期的に少額ずつ取り崩すことで、資産全体の減少ペースを遅らせ、資産寿命を延ばす効果が期待できます。
ただし、年齢が高くなるにつれてリスクを許容できる範囲は狭まるのが一般的です。老後の資産運用では、リターンの追求よりも「守り」を重視し、ライフステージに合わせて資産分配を徐々に保守的なものへ見直しましょう。
資産の取り崩し方には、毎月一定額を引き出す「定額取り崩し」、一定割合ずつ引き出す「定率取り崩し」、そして受取期間を決めて保有口数を等分に売却していく「定口数取り崩し」の3つがあります。
定額取り崩しは受取額が安定する一方、相場下落時に資産が減りやすくなります。定率取り崩しは資産が減りにくく長持ちしますが、受取額が不安定になりがちです。定口数取り崩しはいつまで資産が残るのかの見通しが立てやすいものの、期間中の売却額に差が生じやすいという側面もあります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 定額取り崩し (毎月○万円ずつ) | 受取額が一定で、生活費の計画が立てやすい | 下落相場でも同じ額を売却するため、資産の枯渇が早まるリスクがある |
| 定率取り崩し (毎月○%ずつ) | 残高に応じて売却額が決まるため、資産がゼロにならず長持ちする | 相場によって受取額が変動し、家計の管理が不安定になりやすい |
| 定口数取り崩し (毎月○口ずつ) | 「いつまで資産が持つか」という期間の目途が正確に立てられる | 定率と同様、受取額が相場に左右され、毎月一定にならない |
それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の性格や家計の状況にあった方法を選択することが大切です。なお、暴落時には一時的に取り崩しを休止したり、定額から定率に切り替えたりするなど、柔軟な対応も有効です。
最近では、これらの取り崩しを自動化できるサービスを導入する金融機関も増えています。手続きの手間を省くだけでなく、判断力の低下に備える手段としても、こうした便利な仕組みを早めに活用しておくのが賢明です。
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