公開:2026.10.27

長引く「ナフサ不足」、暮らしへの影響は?

ナフサ不足で影響必至のモノ・サービス

ナフサは、原油を精製する過程で得られる石油化学製品の基礎原料です。日本ではナフサ調達の6割を海外からの輸入に頼っており、そのうち中東諸国が占める比率は7割に上っています。さらに、ナフサの原料となる原油についても中東への依存率が非常に高い状況です。

図 ナフサ供給と原油輸入の内訳(2024年)

出所:経済産業省「生産動態統計」、財務省「貿易統計」、資源エネルギー庁「石油輸入調査」を基に日本FP協会作成

このような状況の中、中東情勢の緊迫化で2026年3月にホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、中東からのナフサ・原油の輸送が途絶えました。

ナフサ由来の素材は日常生活のさまざまな場面で使われており、多くの身近な製品が価格高騰などの影響を受けています。

図表 ナフサ不足の影響を受けやすい製品・サービスの一例

ジャンル身近な製品・サービス
プラスチック食品トレー、包装フィルム、ゴミ袋、ペットボトル、医療用注射器
塗料・有機溶剤建物用塗料、自動車補修用塗料、シンナー
合成ゴムタイヤ、靴底、ゴム手袋
合成繊維衣料品、カーペット、カーテン、バッグ
合成洗剤洗濯用洗剤、台所用洗剤、シャンプー
出所:日本FP協会作成

ナフサ不足を受けた政府の対応

政府は、国内の製油所で原油を精製し、ガソリンや軽油とともにナフサを生産できるよう、国家備蓄の原油を段階的に放出しました。加えて、米国、アルジェリア、ペルーなどからのナフサ輸入を進めることで、供給量の確保に努めています。

また、塗料やシンナーの流通で目詰まりが生じていることを踏まえ、原料となるトルエンなどの供給量を最大で例年の1.8倍まで増やす仕組みを開始しました。さらに、工務店や一人親方、自動車整備工場などがシンナーメーカーから直接購入できる仕組みも整えています。

今後については、保管方法やコスト負担などの課題はあるものの、約30年前に備蓄制度から除外されたナフサを改めて備蓄対象とすることも検討されています。中東依存の高さが改めて浮き彫りとなった今回の事態を受け、調達先の多角化とあわせた供給体制の強化が急務となっています。

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