公開:2026.10.09

「金利のある世界」で注目される「中立金利」とは?

本記事は2026年8月時点の情報を基に作成しています。

中立金利は「自然利子率+予想物価上昇率」

中立金利とは、景気を過熱させることも冷やすこともない、経済にとって中立的な金利水準です。景気に中立的な実質金利である「自然利子率」に、中長期的な予想物価上昇率(予想インフレ率)を加えた水準とされています。

自然利子率とは、経済・物価を押し上げも押し下げもしない中立的な実質金利の水準のことです。生産年齢人口の増加率や生産性の上昇率、貯蓄・投資バランスなどによって決まりますが、さまざまな推計方法があり、実際の算出結果にはばらつきがあります。

金融政策における「ものさし」としての役割

中立金利は、日銀の金融政策の方向性を判断するうえで重要な指標です。政策金利が中立金利を下回っていれば金融環境は緩和的で、利上げの余地があると考えられます。反対に上回っていれば引き締め的で、利下げに向かう可能性があると考えられます。

図 政策金利と中立金利の関係

出所:日本FP協会作成

2026年6月、日銀は15日、16日の金融政策決定会合で半年ぶりの利上げを決定し、政策金利は31年ぶりの水準となる1%に引き上げられました。しかし、日銀の推計によると、名目中立金利は1.1~2.5%程度です。現在の金融環境はなお緩和的であり、政策委員からは、中立金利2%に向けて「数カ月に一度」のペースで0.25%ずつ利上げを進めるべきとの意見も出ています。

政策金利が上がれば、住宅ローンの変動金利や預金金利にも影響が及びます。今後も利上げが続く可能性を念頭に置き、家計への影響を確認しておきましょう。

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