公開:2026.06.19

成年後見制度の改正へ その概要とポイントを解説!

本記事は2026年5月時点の情報を基に作成しています。
2026年6月17日に成年後見制度を見直す改正民法が成立しました。

成年後見制度見直しの背景

認知症や知的障害などで判断能力が十分でない人々をサポートする「成年後見制度」の大幅見直しに向けた検討が進められています。

かねて成年後見制度は、潜在的なニーズに対して実際の利用者が少ないと指摘されていました。利用が広がらない要因は、主に以下の点が挙げられます。

  • 後見人に包括的な代理権や取消権が与えられ、本人の自己決定権が必要以上に損なわれる場合がある
  • 遺産分割などの当初の目的が達成されても、判断能力が回復しない限り制度の利用をやめられない
  • 本人の生活状況が変わっても後見人の交代が認められにくく、ニーズに合った支援を受けられない

こうした課題を受け、2026年1月に民法(成年後見等関係)等の改正に関する要綱案が取りまとめられ、4月に閣議決定されました。

成年後見制度の見直しポイント

制度改正のポイントは以下の通りです。

「後見」「保佐」「補助」の一本化

現行制度は被後見人(後見制度の対象になる人)の判断能力に応じて、「後見」(判断能力を常に欠いている状態の方の支援)、「保佐」(判断能力が著しく不十分な状態の方の支援)「補助」(判断能力が不十分である状態の方の支援)の3種類が用意されており、それぞれの状態に応じた支援者を選任することで被後見人を保護する仕組みです。改正後は、この3種類を「補助」に一本化する方針が示されています。包括的に権限を与える現行の仕組みに代え、必要な行為に限って代理権や同意権を個別に付与する、オーダーメード型の支援設計が可能になる見通しです。

制度利用の途中終了が可能に

保護の必要性がなくなったと家庭裁判所が認めれば、判断能力の回復を待たずに終了できるようになります。

本人の意思に応じた後見人の交代が可能に

現行制度では、後見人の解任は財産の不正使用や報告義務違反などの重大な不正行為がある場合に限られ、信頼関係の悪化や意思疎通の困難といった理由だけでは交代が認められにくいという制約があります。制度改正後は、本人の利益のために必要なときは交代が認められるようになります。

図 成年後見制度の見直しのポイント

出所:日本FP協会作成

高齢化が進展し、単独で住む高齢者が増加している中、制度改正によって多くの潜在的ニーズに応えられるとの期待が集まっています。

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