FPトレンドウォッチ
2025.10.01
本当にあった「リボ払い」の落とし穴

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公開:2025.09.05
ビットコインと言えば、暗号資産の代表的な種類です。円で表示する場合と、ドルで表示する場合の2つがあります。もともとは単位がドルですから、円でのビットコイン投資は、ビットコインとドルの両方に投資している格好になります。
そのビットコインがドル・ベースで2025年8月14日に12万4,000ドル台の最高値をつけました。2024年初に約4万ドルだったので、1年半で3倍以上になった計算です。もしも、手前に投資していれば大きな値上がり益を得られていたことになります。とはいえ、価格変動が激しいので、ビットコインには投機的という評価がつきまとっています。
さて、なぜ、その価格が上昇しているのでしょうか。
ビットコインをはじめとする暗号資産そのものには価値はありません。利息も付きません。そんなビットコインの価値は、一概には言えませんが、ドルの金利と逆の値動きをする傾向があると言われており、金利低下時はビットコインの価値が上がるだろうという見方がされている可能性があります。米国では、中央銀行のFRB(連邦準備制度理事会)が利下げをトランプ大統領から求められていることもあり、それがビットコインの上昇要因の1つとなっているのかもしれません。
また、低金利になれば、市場でのドルの流動性が増えます。その「カネ余り」効果による投機的需要が暗号資産の価格を上げるとも解釈できます。最近は、世界的なカネ余りで、さらに米国で利下げが促されると、資産価格が必要以上に押し上げられるのではないか、とも警戒されています。暗号資産は、その「カネ余り」の渦中にある存在だという理解も成り立ちます。
最近の話題では、トランプ大統領が暗号資産の普及に熱心だという話があります。トランプ大統領自身のファミリー企業でも多くの暗号資産を保有していることなどもあってか、2024年秋のトランプ大統領の当選直前から、ビットコイン価格は急上昇しています。トランプ政権のメンバーが暗号資産の価格上昇に好意的だから値上がりが加速すると巷間では言われているようです。
しかし、「トランプ大統領が・・・」という理由は、人々の思惑を刺激するものの、ビットコイン価格が上昇する合理的な理由とは言い切れないでしょう。そこで、合理的理由を考えると、先にあげた低金利予想のほかに、投資家の運用対象として普及し始めたことが挙げられます。
2024年初めにはビットコインを組み入れた上場投資信託(ETF)の取り引きが開始されました。それを機関投資家が組み入れるケースが増えたために、さらに価格上昇したという側面もあります。
また、暗号資産は国際決済通貨ドルの代替的資産として保有されるケースも増えています。ロシアなどでは、厳しい経済制裁下において暗号資産を使って貿易決済をするという動きもあるようです。
ドル・インデックス(ドルの価値を各国通貨で加重平均した指数)とビットコイン価格の推移を見てみましょう。
2025年初からドル・インデックスが下がっていくと、その正反対の動きとしてビットコイン価格が上がっていく傾向が読み取れます(図表)。
※ビットコインは1BTCのドル価格。ドル・インデックスはICE算出による。
これは、ドルの代替資産として、暗号資産が保有されている動きと整合的です。
このドル・インデックスは、ドル円レートとも連動する関係にあります。ドル・インデックスが下落基調のときには、ドル円レートが円高になっていることが多いのです。通常、外貨投資は円高のときに含み損を生じますので、ドル建てのビットコインに投資するときも同じように円高の作用は損になります。それでも、変動率で評価すると、ビットコイン価格の値上がりペースの方が大きいので現時点では利益が出ているようです。
今後、FRBにより米国の利下げが何回か行われると、米国株価にはプラスですが、ドル価値はじりじりと下がる可能性があります。
ならば、利下げに対する感応度がより大きなビットコインで資産を持っておいた方が有利だという思惑が各国投資家の間に働いているのかもしれません。
しかし、何分、ビットコインの値動きは激しいので、多くの資産を円ベースのビットコインに投資するのはリスクが高いです。ビットコインに投資するときは、いきなり多くの資産を投資するのではなく、少額から始めて、常に値動きに関心を持つことで相場観を養うところから始めるという手もあるかと思います。
記事の内容は、取材先や執筆者等の見解を示したものであり、日本FP協会の意見・方針等を示すものではありません。
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