公開:2025.12.19

「保護司」って何? ~立ち直りに、生活設計の知識~

FPの知識や経験は、職業としての活用や自身の家計管理だけでなく、社会貢献にも活かすことができます。
今回は、犯罪や非行をした人の立ち直りを支える「保護司」についてご紹介します。

犯罪や非行をした人がその後どうなっていくのか、知っていますか?

犯罪や⾮⾏により何らかの処分を受けた⼈たちも、いずれは社会に戻ってきます。

その際、いかに本⼈が反省し、⽴ち直ろうと思っていても、本⼈が有する特性や帰住先の環境など様々な要因により、⽣活再建に困難を抱えたり、適切な相談先等を⾒つけられず、再犯や再⾮⾏に⾄ってしまうケースも少なくありません。

立ち直りを支える「保護司」というボランティア

保護司は、法務大臣の委嘱を受け、地域の中で、

  • 国の職員である「保護観察官」と協働して、犯罪や⾮⾏をし保護観察を受けている⼈※1に寄り添い、⽴ち直りに向けた指導や⽀援を⾏う等の活動
  • ⽴ち直ろうとする人を支える社会環境を整えるため、広報活動や学校での授業等を行い、地域住民や関係機関等に理解や協⼒を求める等の活動

などを行うボランティア※2です。

※1 刑事施設から仮釈放された人、裁判所で保護観察付執行猶予の判決を受けた人、少年院から仮退院した少年、裁判所で保護観察処分の決定を受けた少年
※2 給与は支給されませんが、交通費など活動に要した費用の一部又は全部が支給されます。

保護司の活動は、⽴ち直ろうとする人の再犯・再非行を防止し、安心して暮らすことのできる安全な地域社会の実現を図るものであり、それぞれの保護司が地域社会の一員として有している知識や経験を活かすことが期待されています。

このため、例えば、FPとしての知識や経験を活かして、犯罪や非行をした人に対し、⻑期的な視点からお⾦や⼈⽣について考えさせ、適切な⾏動を促したり働くことの意義等について理解を深めさせる…といった場面もあるかもしれません。

保護司の方々からは、やりがいを感じる場面として、

  • 最初は話もしてくれなかった保護観察対象者が、かかわり続けることによって心を開いてくれたとき
  • 職場等で褒められたことをうれしそうに報告してくれたとき
  • 担当していた保護観察対象者が再犯をせずに、保護観察期間を終えて、立ち直っていったとき

などに、保護司をやっていて良かったと感じるなどの声が多いようです。

保護司についての詳細は法務省のHP【法務省:保護司になるには 】に掲載されています。
また、保護司としての活動をご検討の際は、お住まいの地域に対応する保護観察所※3に連絡してみましょう。

※3 法務省の地方支分部局であり、全国に50か所設置されています。

(取材協力:法務省保護局)

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