公開:2026.07.30

更新:2026.07.31

マンション関連法の改正で決議ルールが大幅変更

区分所有法改正による決議要件の緩和

2026年4月から、区分所有法やマンション管理適正化法などを含む、マンション関係法令の改正が順次施行されています。政府は老朽化マンションの増加や管理組合の担い手不足といった課題を解決するため、従来のルールを大幅に刷新しました。

今回の改正におけるポイントは、円滑な合意形成を阻む要因となっていた「無関心な区分所有者」や「所在不明者」への対応です。

従来、普通決議などは全区分所有者の多数決で決定していましたが、改正後は建て替え決議などを除き、集会(管理規約上の総会)に出席した区分所有者の多数決で決議できる仕組みが導入されています。また、所在不明の区分所有者については、裁判所の認定を受けることで決議の母数から除外できる制度も創設されました。

図 法改正後の集会決議の具体例

出所:国土交通省 住宅局「令和7年マンション関係法改正と これからのマンション管理」2025年10月26日

さらに、外壁の剥落防止や耐震補強、バリアフリー化など、建物の安全確保や機能向上のための共用部分の変更決議は、従来の「4分の3以上」から「3分の2以上」へと要件が引き下げられています。

管理不全を防ぐための管理組合・管理者の権限明確化

専有部分・共有部分の管理不全によって他人の権利が侵害される恐れがある場合、裁判所が「管理人」を選任し、管理や処分を行える制度が創設されました。併せて、所在等不明区分所有者の専有部分の管理に特化した新たな財産管理制度も創設され、この制度によって選定された管理人は、裁判所の許可を得て所在不明者の専有部分を売却することも可能です。

管理実務を円滑にするため、管理者の権限も整理されました。分譲事業者が瑕疵のあるマンションを販売した場合、区分所有権が転売されていても、管理者(管理組合)が旧区分所有者を含めて一括で損害賠償請求ができるようになっています。

また、利益相反を防ぐ観点から、管理業者が管理組合の代表を兼ねる場合には、取引に先立ち区分所有者への事前説明会を開催することも義務付けられました。

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