公開:2025.09.16

失業保険給付大改正、そのポイントを解説

自己都合退職者の給付制限が緩和

2025年4月1日に「雇用保険法等の一部を改正する法律」が施行され、雇用保険の失業給付に関する条件が緩和されました。

2025年3月31日以前に自己都合で退職した場合、失業給付を受け取るまでには7日間の待期期間に加え、原則2カ月の「給付制限期間」がありました。しかし、今回の改正により、2025年4月1日以降に自己都合で退職した場合、給付制限期間は原則1カ月に短縮されます。

さらに、離職前1年以内(または離職日以降)に国の指定する教育訓練を受けた場合は、この給付制限自体がなくなり、7日間の待期期間が終わればすぐに失業給付を受け取れるようになりました。

図 給付制限のイメージ

出所:厚生労働省リーフレット「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」

今回の改正は、給付制限期間中の経済的な不安を和らげ、キャリアチェンジを後押しするものとして期待されています。

失業保険の給付制限に関する注意点

給付制限解除の対象となる教育訓練は、教育訓練給付金の対象講座や公共職業訓練など、国が指定するものに限られます。また、過去5年間に2回以上自己都合で退職した場合の給付制限期間は3カ月です。自身の重大な過失による解雇(重責解雇)の場合も給付制限期間は3カ月で、この場合は教育訓練を受けても給付制限の解除はされません。

2025年10月1日からは、在職中の人が教育訓練のために休暇を取得した際に、失業給付と同額が支給される「教育訓練休暇給付」制度も始まります。今回の給付制限短縮と合わせ、キャリアアップを目指す人にとって教育訓練を受けるメリットはますます大きくなるでしょう。

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