公開:2025.07.31

NISA恒久化後の投資戦略(下)

投資初心者はまず積立投資を検討

前回は2024年1月に始まった新NISAの概要について紹介しました。今回は投資の初心者と中級者に向けて、新NISA制度の活用方法を紹介します。

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があります(図表)。投資の初心者ならまず、つみたて投資枠を使って投資信託の積立を検討してみてはいかがでしょうか。投資信託は運用の専門家が複数の資産を組み合わせて運用するため、価格変動のリスクを抑えながら投資することが可能です。

また、「つみたて投資枠」を活用することで少額からでも投資を始めやすく、毎月決まった金額で自動的に購入することも可能なため、コツコツと資産形成をしやすいという特徴もあります。

図表 つみたて投資枠と成長投資枠の違い

項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資額上限120万円(月10万円)240万円
投資方法積立のみ一括・積立どちらも可
対象商品一定基準を満たす投資信託(約300本)上場株式、投資信託、ETF※1、REIT※2など
株主優待取得不可取得可
※1 ETF:東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託
※2 REIT:不動産投資信託

出所:日本FP協会作成

「成長投資枠」を使って、株式投資に挑戦

ある程度投資の経験がある投資中級者や、つみたて投資枠である程度の資産が形成できた後は、「成長投資枠」を活用した投資も検討してみましょう。つみたて投資枠は長期の積み立てや分散投資に適した投資信託のみが対象ですが、成長投資枠では上場株式などにも投資できます。投資限度額はつみたて投資枠よりも大きく設定されており、つみたて投資よりもまとまった金額を運用することが可能です。

成長投資枠でより高度な投資に挑戦するときは、国内外の株式や債券など、それぞれの商品のリスクとリターンの深い理解が欠かせません。投資の際は生活に必要な預貯金をしっかり確保し、無理のない範囲で購入することが重要です。

投資する商品の候補が増えると購入する商品の選定や売却時期の判断など、積立投資にはない手間がかかるのは否めません。しかし、投資によって得られる売却益や配当金も大きくなる可能性がありますので、自身が希望する資産形成のスタイルに応じて上手に新NISA制度を活用しましょう。

資産形成の鍵を握るのは「長期・積立・分散」です。相場の動きに流されず決まった金額をコツコツと積み立てることを検討してみてはいかがでしょうか。

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