公開:2025.12.04

判断を誤らせる「ダークパターン」にご用心

とにかく「分かりづらい」ダークパターン

ダークパターンとは、利用者の注意をそらしたり、誤解を生じさせたりするように設計されたウェブサイトやアプリのデザインを指します。消費者が気付かぬうちにより金銭を多く支出させたり、情報を多く提供させたりすることを目的としており、世界的に問題視されています。

OECD(経済協力開発機構)は、このダークパターンの類型を以下の7つにまとめています。

図表 ダークパターンの7類型

類型内容具体例
行為の強制特定の機能にアクセスさせるために何らかの操作を強制する・サービス利用に不要な会員登録を必須と偽る
・必要以上の個人情報(電話番号など)の開示を強制する
インターフェース干渉情報の見せ方によって企業に有利な選択に誘導する・重要な情報を視覚的に不明瞭にする
・企業に都合のよい選択肢をデフォルト(事前選択)にする
執拗な繰り返し企業に都合のよい提案を何度も表示する・拒否する選択肢があっても、ユーザーが承認するまでポップアップが何度も表示される
・通知や位置情報追跡の許可を繰り返し要求する
妨害ある行為をあきらめさせるために手続きを煩雑にする・登録に比べて、解約の手続きを分かりにくく困難にする(解約は電話のみなど)
・アカウント自体や登録情報の削除を著しく困難な状態にする
こっそり意思決定に関する情報を隠したり、偽装したりする・ユーザーの同意なしに商品やサービスを追加する
・定期購入や自動更新の条件を意図的に目立たなく表示する
・決済直前で非オプションの追加料金を加算する(ドリッププライシング)
社会的証明他の消費者の行動を知らせて意思決定に影響を与える・虚偽や誤解を招くユーザーのレビューを表示する
・購入画面に「〇人が購入しています」と表示する(その情報が偽りである場合)
緊急性時間的・量的制限を与えて商品・サービスを購入するよう誘導する「今だけ」「数量限定」「タイマー(あと〇時間で終了)」などの虚偽または誤解を招く表示をする
出所:OECD「DARK COMMERCIAL PATTERNS」(OECD DIGITAL ECONOMY PAPERS,October 2022 No. 336)を基に日本FP協会作成

欧米ではダークパターンを禁止する法規制の整備が進んでいますが、日本では明確なルール整備が不十分との指摘もあります。ダークパターンはいくつかの手法を組み合わせて消費者を誘因しているケースが多いため、包括的な規制を検討する必要があるでしょう。

消費者に求められる自衛策

ダークパターンの被害を防ぐには、まず「おかしい」と感じた時点で立ち止まることが重要です。画面のデザインや文言に惑わされず、契約内容や料金、解約方法を必ず確認しましょう。特に「今だけ」「残りわずか」といった言葉は、心理的に焦りを誘うため注意が必要です。

また、購入時や登録時の画面をスクリーンショットで保存しておくと、後日トラブルになった際の有効な証拠になります。メールの受信履歴や利用規約もチェックしておくと安心です。

消費者庁や国民生活センターでは、悪質な手口の事例や相談窓口を公開しています。少しでも不安を感じたら、ひとりで抱え込まずに公的機関へ相談することが早期解決への近道です。情報リテラシーを高め、自らを守る意識がこれまで以上に求められています。

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