公開:2025.07.23

困窮時に検討したい「リスケジュール」

金融における「リスケジュール」とは?

「リスケジュール(以下、リスケ)」とは、予定や計画を見直すこと。金融のシーンでは、銀行などと交渉して借入金の返済条件を一定期間変更することを指します。例えば事業者が資金繰り改善のために一時的な返済の猶予を受ける、病気や失業などで住宅ローンの返済が難しくなった場合には、返済期間を延ばす代わりに月々の返済額を抑えてもらうなどの対処が挙げられます。

各金融機関は中小企業や個人から返済計画に関する相談を受けた場合、返済条件の見直しなどを柔軟に対処することが金融庁から求められています。そのためやむを得ない事情で返済が難しくなった場合には、リスケに応じてもらえる可能性があります。

リスケの具体的な内容

金融機関にリスケを相談した場合、主に提案されるのは以下の4つです。

  • 返済期間の延長
  • 元金の返済猶予
  • 返済額の一時的な減額
  • ボーナス返済分の見直し

他にもボーナス返済を組み合わせている場合はその返済額を減額したり、可能であれば固定金利を変動金利に変更したりできれば、返済の負担を減らせる可能性があります。

自然災害や感染症などの影響による特例を除き、リスケ後は返済総額が増えるケースがほとんどです。また、リスケ期間の終了後には月々の返済額がリスケ前より増える可能性もありますので、借入先と返済計画をよく相談する必要があります。

図 リスケジュールを行うメリット・デメリットの一例

メリットデメリット
・今の家計を立て直すゆとりが持てる
・一時的な支出を乗り切るための手助けになる
・家を失うリスクを先送りできる
・返済総額が増加する
・返済期間が長くなる
・新規の融資が受けづらくなる
出所:日本FP協会作成

なお、リスケの際には毎月の支出や収入アップの見通しなどを詳しく聞かれ、収支状況に応じて家計の見直しを迫られることもあります。リスケ後にも定期的な収支報告を求められますので、リスケが必要な理由や返済の見通しなどを洗い出してから金融機関に相談しましょう。

ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • いいね数
  • コメント数