FPトレンドウォッチ
2026.01.21
パフォーマンスから見る世界株式と日本株式【トレンド+plus】
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公開:2026.01.19
これから年金生活を迎える人の中には、家計収支がマイナス(赤字)になるのではないかと心配している方もいるでしょう。年金生活は遅かれ早かれ誰にでも訪れるため、若い世代の方にとっても、この不安は他人事ではありません。
そこで、年金生活世帯の収支をもとに、どの程度赤字になるのか筆者なりに試算してみました。
※以下、数値は総務省「家計調査」をもとに筆者が独自に試算
試算したところ、世帯主が無職=年金生活の場合の毎月の収支の概要は、消費支出が24.0万円で年金が16.5万円になりました。年金額から支出額を差し引くと、7.5万円の赤字になります。
しかし、赤字額の実態としては毎月約3.8万円、年間で約46万円になっており、年金で不足する部分を他の収入で賄っていることが見て取れます。
では、赤字額を少なくするためにどのような方法があるのでしょうか。 世帯主が無職世帯の年金以外の主な収入源としては、以下のようなものが挙げられます。
次に、これら(1)~(5)のうちでは、どのインパクトが大きいのか見ていきましょう。
統計データから得られた実数でみると、一番大きいのは(4)です。利息・配当で0.5万円、保険金で1.8万円、企業年金1.6万円となり、3つをあわせると月3.9万円にもなります。これらは、まさに現役時代からの運用の成果とも言えるでしょう。
次に、積み立て・運用だけでは足りない部分は、(1)親族の就労収入で月2.0万円(税引き前)程度賄っているケースが一般的なようです。配偶者や同居の子供などが働ける範囲内で得ている就労収入が有力な支援になっているケースが多いようです。
それから、3番目が(3)の不動産・内職・事業収入の月0.5万円です。これは、金額として大きいとは言えないでしょう。年金生活に入る前に準備したことで得られるタイプの収入になりますが、自営業などをやっていないと知見が得にくく、収入にはつながりにくいのかもしれません。
上記の合計を計算すると、
(4)+(1)+(3)=3.9万円+2.0万円+0.5万円=月6.4万円の収入になります。ここから税金などが差し引かれると、可処分所得では月3.7万円程度です。
大まかな傾向になりますが、年金額だけで賄いきれない7.5万円の赤字をこの3.7万円でカバーして、それでも穴埋めできない部分が冒頭に見た月3.8万円(年間で約46万円)の赤字になります。この赤字分は、自分の預貯金などを取り崩しているケースが多いです。
平均余命を踏まえて65~85歳まで年金生活をすると仮定すれば、単純計算すると20年間で約920万円の貯蓄の取り崩しをすることになります。
さて、これで年金生活世帯の収支の全体像が見えてきました。
今回は年金生活世帯の家計を見るという視点から世帯主が無職の世帯に焦点を当てましたが、65歳以上の就業者数は年々増加しています。
年金が不足する部分は、若い頃からの資産運用などで備えて、それでも足りない部分は働いて補うということが一般的になりつつあるのかもしれません。また、余裕がある場合は、不動産収入や配当収入を稼げるように備えをする選択肢もあるでしょう。
なお、「家計調査」をみる限りでは、年齢があがるにつれて消費支出が減っていく傾向にあります。つまり、お金を使う機会は少なくなって、公的年金の範囲で賄える割合が増えるということです。
その一方で、世帯主年齢別の家計収支をみて推察できるのは、定年退職後間もない年金がまだ入ってこない時期に、給与のカットが始まったにも関わらず以前までの消費習慣を変えられずに、収支が赤字になることが多い状況です。その時期に支出を減らしたくなければ、やはりなるべく長く働き続けるか、先を見越して若いうちからコツコツと資産形成をする必要があるのでしょう。
記事の内容は、取材先や執筆者等の見解を示したものであり、日本FP協会の意見・方針等を示すものではありません。
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