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2026.07.16
【損害保険】大規模な自然災害が頻発する時代。火災保険料の値上がりは続く!?(竹下さくら氏)
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公開:2026.06.11
更新:2026.07.16
第1回目は、地政学リスクや円高など、海外旅行時も“万が一”に備える必要性が高まる今日この頃。海外旅行へ出かける人が増える夏休み前のこの時期、「海外旅行保険」の情報をしっかりアップデートしておきましょう。
海外旅行へ出かける際、海外旅行保険に加入しますか? 公的機関の統計データはありませんが保険会社などが行った調査から類推すると、自身で加入した人は約3割、クレジットカードの付帯なども含めて何らかの形で補償を確保していた人を合わせると約7割というのが実態のようです。これまでトラブルに遭ったことがない、保険料がもったいない、クレジットカードの付帯で十分など理由はさまざまでしょうが、加入率は他の損害保険と比べても高いとはいえません。
ただ、普段は健康な人でも、いつもと異なる環境下へ行くことでストレスや過労によって思いがけない病気になったり、持病が悪化したりすることもあります。また、電車やバスといった交通機関などの利用時や、歩行中に事故に巻き込まれるかもしれません。海外では日本の医療保険制度は適用されませんし(※)、治療費は日本と比べ総じて高額で、救急車の費用が有料という国も珍しくありません。しかし海外旅行保険に加入していれば、日本語で病院の予約や通訳の手配ができ、キャッシュレスで治療を受けられるサービスなどを利用することができます(詳細は商品や旅行先によって異なる)。
※海外旅行中の病気やけがであっても要件を満たす場合は健康保険の給付対象になり、帰国後に申請をすると医療費の一部の払い戻しを受けられる「海外療養費」という制度もある。
海外旅行中の病気やけが、様々なトラブルで困る人が少なくないのだろうと考えさせられるのが、外務省「海外安全ホームページ」の中に「海外旅行保険加入のおすすめ」というページがあることです。日本人が海外でトラブルに遭ったとき、ほとんどの人は大使館など在外公館を頼ります。しかし海外旅行保険に加入していれば、多くの会社は病気やけがの治療時だけでなく、パスポートやクレジットカードの紛失・盗難時の対応や旅行先の安全情報の提供といったサービスを24時間・年中無休・日本語で行っているため、外務省も加入を勧めるのではないかと考えます。補償内容やサービスは保険会社によって異なりますが、いまや何らかの形で補償を確保することは必須といえそうです。
具体的に、どんな費用が海外旅行保険で補償されるのでしょう。主なものをまとめたものが(図表1)です。
| 名称 | どんな時に補償されるか | |
|---|---|---|
| 自分のけがや病気 | 傷害治療費用 | 旅行中のけがの治療費 |
| 傷害後遺障害 | 旅行中のけがによって後遺障害を負った場合 | |
| 傷害死亡 | 旅行中のけがで死亡した場合 | |
| 疾病治療費用 | 旅行中(※)の病気の治療費 | |
| 疾病死亡 | 旅行中(※)の病気の治療費 | |
| 救援者費用 | 海外旅行先でけがや病気で入院し、家族が現地へ駆けつけた場合 | |
| 他人へのけがなど | 賠償責任 | 旅行中に誤って他人にけがをさせたり、他人の物を壊すなどして法律上の賠償責任を負った場合 |
| 携行品 | 携行品損害 | 旅行中に被保険者が所有、かつ携行する身の回り品が盗難にあったり壊れたりした場合 |
| 航空機などのトラブル | 航空機寄託手荷物遅延費用 | 航空会社に預けた荷物の到着が遅れて身の回り品を購入した場合の費用 |
| 航空機遅延費用 | 飛行機の欠航や出発遅延等により、自己負担した宿泊代などの費用 | |
| 旅行変更費用 | 被保険者や同行予定者などの死亡・危篤、被保険者などの入院、渡航先での地震・戦争・テロ行為などの発生により出国の中止または旅行を途中で取りやめて帰国した場合の費用 |
この中で特に重視したいのは、治療に対する費用を補償する「傷害治療費用」と「疾病治療費用」です。というのは、日本の公的医療保険制度は国民皆保険のため、原則として診療報酬(医療費)は厚生労働大臣が定めた一律の金額で本人負担は3割で済みますが、海外はいわゆる自由診療の国も多く、病院によって費用が異なるというケースも珍しくありません。保険事故のデータを見ると、「治療・救援費用」の保険金支払額が300万円以上という例は世界各地で発生し、中には1,000万円以上というものもあります。治療費用については、最低でも300万円の保険金額を確保しておきたいところです。
「救援者費用」も、確保しておきたい補償の一つです。被保険者が病気やけがで入院した際に、家族が現地へ行くための航空機等の運賃や宿泊費を補償してくれます。このほか、行方不明になった際の捜索、救助、移送などの費用をカバーする商品もあります。渡航先や行程中のリスクを踏まえて、支払い対象となる費用を確認しておくと安心です。
「携行品損害」の補償を付けたいという声もよく聞くのですが、保険金額を選ぶ際は注意が必要です。パンフレットなどに書かれている保険金額は合計額で、約款を詳しく見ると「1事故について携行品1個当たり×万円を限度」と書かれています。ですから、高額なものであっても全額は補償されません。携行品損害の保険金額を多く確保するために、保険料が高いプランを選ぶ必要はなさそうです。
日本では大きく報道されないものもありますが、近年、世界情勢が急速に悪化しています。ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、内戦や武力衝突が世界各地で起きています。また、渡航先の安全には問題がない場合でも、航空機の経路や乗り継ぎ地によっては飛行禁止や領空封鎖などによって遅延や欠航、ダイバート(目的地変更着陸)が発生し、旅行計画の変更を余儀なくされるケースもあります。
そんなとき、海外旅行保険ではどのような補償が受けられるのでしょう。残念ながら(図表1)で紹介した補償は、ほとんどのものに「支払いできないケース」として「戦争、外国の武力行使、革命、内乱、武装反乱などの事変」と明記されています。そんな中、多くの商品で対象となる可能性があるのが「旅行変更費用」です。
先ごろのイスラエルとアメリカ合衆国によるイラン攻撃の際も、空港閉鎖などで出国できない旅行者が発生しました。航空券は航空機の欠航や遅延など旅行者に責任がない理由の場合は、航空会社が無償で振替便を手配するのが原則ですが、延泊の宿泊費は自己負担になる可能性が高く、宿泊費が高騰することもあります。渡航先によっては、特約として付加することを検討したほうがいいかもしれません。
ちなみにテロ行為(政治的、宗教的、思想的な主義主張に基づいて行われる暴力行為)については、商品によって補償されるものと別途加入が必要なものがあります。リスクが高い地域へ渡航する際は、支払い要件を詳しく確認しましょう。
海外旅行保険はクレジットカードに付帯されているから大丈夫と考える人も多いようですが、クレジットカード会社、カードのランクによって内容は異なりますから正しく理解しておく必要があります。
まず確認したいのが、付帯条件は「自動付帯」「利用付帯」のどちらなのかということです。自動付帯はその名のとおりカード会員であれば自動的に付帯されますが、利用付帯はカードの利用条件を達成した場合のみ補償が適用されます。条件には募集型企画旅行(パックツアー)の旅行代金を支払う、日本出国前に航空機など公共交通機関を予約しその代金を支払うといったものが多いので、旅行代金の支払いまでに確認しておく必要があります。
またクレジットカード付帯の保険は、傷害死亡や賠償責任の保険金は大きな金額がついていることが多いのですが、確保しておきたい治療関係の補償は付帯されていなかったり、金額が小さいことがあるので注意しましょう。特に年会費が無料の一般カードは、治療関係の補償が手薄な傾向があるようです。
退職後は頻繁に海外旅行へ行く予定だから、海外旅行保険の付帯が充実したゴールドカードに変更しようと考えるシニア世代も多いようです。ただ年金生活になると、ゴールドカードへの変更に制限があるクレジットカード会社もありますから、現役の間に手続きをしておくといいでしょう。また、海外旅行保険は満70歳を超えると保険料が高くなるので、旅行のたびに加入すると費用負担が大きくなりがちです。そのため、年に複数回海外へ旅行するのならば、毎回海外旅行保険に加入するよりも、海外旅行保険が付帯したクレジットカードの年会費を支払うほうが有利になるケースもあります。
旅行会社でパックツアーを申し込むと海外旅行保険の加入についても説明がありますが、団体割引などが設定されているわけではありません。必要な補償をできるだけ安い保険料で確保するためには、自分で情報収集する必要があります。
まず、前項で説明したクレジットカードの付帯内容を確認してください。保険金額が必要額をカバーできていれば問題ありませんが、不足している場合はフリープランをカスタマイズする形で足りない補償に加入する手もあります。ただ、この方法は出発前にインターネットからの申し込みが必要ですから、出発日当日、自宅出発前までに手続きを済ませましょう。
空港で申し込みをすればいいと考えるかもしれませんが、空港で申し込めるのは通常はパッケージプランのみです。また、海外旅行保険というと海外旅行中のトラブルを補償する保険と思いがちですが、自宅出発前に申し込んでおくと自宅から出発する空港までの経路で事故に遭った場合も、補償の対象になります。保険料を最大限有効に活用し過不足のない補償を確保するためには、自宅を出発するまでに加入するのがお勧めです。
| 第1回 | 海外旅行時の保険は必須?補償される費用とは |
|---|---|
| 第2回 | 大規模な自然災害が頻発する時代。火災保険料の値上がりは続く!? |
| 第3回 | 公開をお楽しみに! |
| 第4回 | 公開をお楽しみに! |
| 第5回 | 公開をお楽しみに! |
| 第6回 | 公開をお楽しみに! |
CFP®認定者
竹下 さくら 氏
独立系のなごみFP事務所を運営。個人のコンサルティングを柱に、セミナー講師や執筆活動も行う。千葉商科大学 基盤教育機構 特任教授。『1 時間でわかる やれば得する! 保険の見直し 100の鉄則』(技術評論社)など著書多数。
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